前回は、新築物件の場合、小さなキズや汚れでも見逃してはいけない理由について説明しました。今回は、建売住宅を内見する際に「スリッパを履いてはいけない」理由について見ていきます。

建物内部の見えない箇所は、業者を信じるしかない!?

ポイント⑥ 素足で床の感触を確かめるのが基本

 

次に、建物内部のチェックポイントを解説します。建物にとって、見える部分の良し悪しが大切なことは繰り返し述べてきましたが、見えない箇所はさらに大切です。

 

長く安全・快適に暮らすために求められる家の機能や安全性に関する部分は、基本的に内部に入っているからです。水回りや電気の設備、断熱、防水などの施工状態に関しては、一般の人はなかなか見る機会がありません。

 

建売住宅の場合はすでに完成している物件を見るわけですから、内部に納められている設備などがきちんと施工されていると信じるしかないというのが実情です。

 

通常、内部を確認する際には、チェックポイントを押さえたうえで、厳しい目線で臨まないと、気づかずに通り過ぎてしまいがちです。賢く、確実にチェックすることで、買ってから後悔することがないようにしてください。

ゆっくり歩きながら基本チェックポイントを細かく確認

まず建物の中を確認する際は、スリッパは履かないでください。不動産会社に案内される場合、通常は玄関に用意されているスリッパを履くことをすすめられるでしょう。ごく当たり前のサービスですが、スリッパを履いて歩くと、床の感触がわからなくなります。

 

特別な測定器具を持っていなくても、指先に感覚を集中しながら床を歩くことで気づくことは少なくありません。

 

・床の傾き

・フローリングの浮き

・床のキズやへこみ


これらのチェックポイントは基本中の基本ですが、ゆっくりと歩きながら、床の施工状況を確認していきましょう。

 

そのためにも、物件を見る際は時間にゆとりを持ってスケジュールを組むことをおすすめします。いくつも物件を見ようとすると焦ってしまいますので、注意してください。

 

もっとも、暖房器具が何もないフローリング床はかなり冷えますので、体調とも相談しながら進めてください。靴下だけではつらい方は、足裏の感覚をつかめる薄手のスリッパを履いたうえで、床を意識しながら歩いてもいいでしょう。

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

    こんな建売住宅は買うな

    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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