今回は、不動産投資のデメリットについて見ていきます。※本連載は、株式会社アセットビルドの代表取締役・猪俣淳氏の著書、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(住宅新報社)の中から一部を抜粋し、不動産投資をどのような方向性で組み立てるかを紹介していきます。

査定、契約、引渡し…不動産の現金化には時間が必要

不動産投資にもデメリットがあります。

 

(1)流動性が低い

 

預貯金であればATMですぐに出金できますし、株でも数日あれば現金化できますが、不動産は投資用とはいえ、一般的な投資商品に比べると換金するときに時間がかかります。現金化を図るとすれば・・・

 

①不動産仲介業者に依頼して査定をしてもらう

②売出し価格を決定して媒介契約を結び、流通市場に公開する

③購入希望者が現れて条件調整を行う

④合意が得られれば、手付金を受領して売買契約を締結する

⑤購入者は融資をあたる

⑥自分は既存借入先へローン弁済と抵当権解除の打合せをしたり、入居者にオーナーが代わる旨の通知の準備をしたりする

⑦双方の準備が整ってから、残金受領・登記移転・物件引渡し・諸精算を行うこういった流れで行います。

 

この流れの中で、例えば申込みがキャンセルになったり、契約の合意に至らなかったり、購入者のローン審査が通らなかったりなど、流れを阻害する要因があったりすると、また最初からやり直しということになるわけです。

 

どんなにスムーズにいっても(例えば、言い値で現金で、しかも買う人がいる場合でも)、2週間から1カ月はかかります。でもそのくらいの期間で現金化できるのなら「流動性が低い」とはいえませんね。

数カ月どころか数年、売れない物件もめずらしくない

実際に、流通市場に回ってから数時間で、何件も購入希望者が現れて翌日には契約、2週間後に残金決済というケースはよく見かけます。一方、売るに売れず、数カ月どころか数年も、塩漬けになって晒し者になってしまう物件もめずらしくありません。

 

よく「売れない不動産はない」という人もいますが、利用価値以上の保有コストがかかったり、あるいは利用価値がない「タダでもいらない不動産」は全国津々浦々に存在します。

 

不動産と名が付けばなんでもかんでも「資産」と思っている人が、いつか自分と同じように引っかかるのを探すしかない原野、保有コストだけはかなりの金額がかかるのに使いもしない荒れ果てた別荘、造成工事に坪単価30万円かけたとしても、仕上がりで坪10万円で売れるかどうかもわからない崖地、今もこれからもだれも住む人がいないような場所にあって、ほかへの転用も難しい賃貸住宅。

 

こういった物件は流動性が低い、あるいは流動性がないという表現をします。

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    本連載は、2016年3月31日刊行の書籍『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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