今回は、不動産投資の収益から得る税引後キャッシュフロー(CF)について、目標達成時期を少し先に延ばした場合のシミュレーションを見ていきましょう。※本連載は、株式会社アセットビルドの代表取締役・猪俣淳氏の著書、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(住宅新報社)の中から一部を抜粋し、不動産投資をどのような方向性で組み立てるかを紹介していきます。

8年あれば1200万円前後のATCFを確保できる

(1)投資する資本(現金・土地など)・・・・1000万円

(2)目標キャッシュフロー額・・・・・・・・(税引前)1200万円

(3)それは何年後に実現したいのか・・・・・5年後

 

今回は、上記の目標達成時期を先に延ばした場合の検証していきます。

 

もう少し目標達成時期を先に延ばすと、どうなるでしょうか。

 

この段階でのATCFは1438万円になります。所得が増加するにつれ所得税・住民税・事業税の税率も税負担も増加しますので、実際はATCCRは逓減していきますが、それを考慮してもおよそ8年くらいあれば、1200万円前後のATCFは確保できるはずです。

 

 FCR6%の投資を狙うには追加投資が必要

「とはいえ、表面利回りの高い=リスクの高い地域や物件で投資するのは避けたい」ということで、あくまでもFCR6%の投資を行う場合は、追加投資が必要になります。仮に年間200万円の自己資金の追加が可能であれば、

 

 

この時点で271万円。こちらもやはり目標までは遠く、途中で出口戦略を取って売却資金を再投資に充てることが必須条件となるでしょう。


ちなみに、税引前1200万円のキャッシュフローをBTCCR=16.5%で達成するために必要な自己資本Eは、BTCF1200万円÷BTCCR16.5%≒7270万円。


税引後で1200万円のキャッシュフローを得たければ、ATCF1200万円÷ATCCR11%≒10900万円。これらの金額を、売却益と税引後のキャッシュフ
ロー累計で得ることができれば、達成することができます。

 

本連載は、2016年3月31日刊行の書籍『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

猪俣 淳

住宅新報社

本書は、不動産投資において想定される“あらゆるスタイルの投資家”が、ご自身の投資を定量化し、方向性を検討したり、強みと弱みを把握したり、最適化を図る…といった視点で使える「ツール」としての機能を重視して、ほぼ全…

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