不動産 国内不動産
連載不動産投資の「出口戦略・組合せ戦略」実践マニュアル【第5回】

不動産投資の収益から「税引後のキャッシュフロー」を検証する

キャッシュフロー見積財務諸表

不動産投資の収益から「税引後のキャッシュフロー」を検証する

今回は、不動産投資の収益から「税引後のキャッシュフロー」を検証する具体例を見ていきます。※本連載は、株式会社アセットビルドの代表取締役・猪俣淳氏の著書、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(住宅新報社)の中から一部を抜粋し、不動産投資をどのような方向性で組み立てるかを紹介していきます。

見積財務諸表を活用して税引き後のCFを検証

前回の続きです。

 

今回は、自己負担する所得税がいくらになるか、あるいは所得税を考慮するとどうなるか、税引後のキャッシュフローの検証をしてみましょう。

 

見積財務諸表(キャッシュフローツリー)に置き換えると下記のようになります。

 

物件価格+諸費用・・・・・・・・・・・5880万円+410万円

自己資本(E) ・・・・・・・・・・・・1000万円

ローン借入れ(LB)・・・・・・・・・・5290万円

総投資額(E+LB) ・・・・・・・・・・6290万円

 

総潜在収入(GPI)表面利回り8%・・・・4,704,000円

▲空室損5%・・・・・・・・・・・・・・235,200円

雑収入・・・・・・・・・・・・・・・・・0円

実効総収入(EGI)・・・・・・・・・・・4,468,800円

▲運営費(Opex)15%・・・・・・・・・705,600円

営業純利益(NOI)・・・・・・・・・・・3,763,200円

▲元利返済(ADS)・・・・・・・・・・・2,115,480円

税引前キャッシュフロー(BTCF)・・・・  1,647,720円(約165万円)

 

1.年間賃料は、物件価格が5880万円で、表面利回り8%の設定ですから、

5880万円×8%=470.4万円

 

2.月額賃料は、

470.4万円÷12カ月=39.2万円

 

3.全体のボリュームは、戸当たり月額賃料が6.5万円/戸前後と仮定すれば、

39.2万円÷6.5万円≒6戸

 

4.全体の建物面積は、仮に新築で戸当たり面積が20㎡(約坪)であれば、

20㎡(約6坪)×6戸=120㎡(約36坪)

 

5.建物価格は、木造2階建てで建築坪単価75万円(税込)程度とすれば、

75万円×36坪=2700万円(土地価格は、5880万円−2700万円=3180万円)

 

6.減価償却を設備も含め定額法を使えば、

2700万円÷22年=122.7万円/年

 

7.LB=5290万円・金利1.25%・期間30年であれば、

月額返済は176,290円、年間返済は2,115,480円で、

内訳は金利652,890円・元本1,462,590円(初年度)

課税所得と「年収」は異なる点も考慮

8.したがって、(この物件が初めての場合の)課税所得は、

 

総投資額          6290万円
FCR                 6%
NOI              377.4万円
▲減価償却                           122.7万円
▲金利                                   65.3万円
▲青色申告特別控除                    10万円
課税所得                              179.4万円
税率(仮定)                                30%
税額                                      53.8万円

 

課税所得約180万円で税率30%という仮定は、給与所得の課税所得が695万円−180万円=515万円以下ということですから、額面で700万円前後の年収と考えていいでしょう。

(※給与所得控除=700万円×10%+120万円=190万円、基礎控除38万円として、700万円−190万円−38万円=472万円・・・不動産課税所得180万円を加えると、652万円=330万円超695万円以下→所得税20%+住民税10%)

本連載は、2016年3月31日刊行の書籍『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

猪俣 淳

株式会社アセットビルド 代表取締役 一級建築士

1961年生れ神奈川県横須賀市出身。
不動産・建築業界の最前線で30年以上の実務経験を有し、みずからも収益物件の購入・運営・資本改善・売却を行う実践不動産投資家である。不動産・建築・投資・金融・管理・保険・相続の各分野における26もの資格を保有している。
活動は幅広く、CCIM-JAPAN(全米商業用不動産投資顧問協会日本支部)、IREM-JAPAN(全米不動産管理協会日本支部)の理事を兼任、CPM®(認定不動産経営管理士)公式コースのファカルティ(講師)としてプロフェッショナル向けの教鞭をとるかたわら、新聞・雑誌への執筆・取材(ビジネス専門誌・一般週刊誌・海外も含む業界誌)、年間70件を超える全国での講演活動、ラジオ・TVなどへの出演も行っている。
著書は『不動産投資の正体』、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(以上、住宅新報社)などがある。自身のブログ「不動産投資にまつわる100の話 プラス」でも情報を発信している。

著者紹介

連載不動産投資の「出口戦略・組合せ戦略」実践マニュアル

誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略

誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略

猪俣 淳

住宅新報社

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