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連載スムーズな相続を実現する海外資産の生前対策【第4回】

海外資産の保有者が亡くなった場合の相続手続き

プロペート

海外資産の保有者が亡くなった場合の相続手続き

前回は、国内外の資産管理会社を活用した海外資産の承継方法について説明しました。今回は、海外資産を持つ人が亡くなった場合、何をすべきかを見ていきます。

まずは海外財産の全容を把握することから始め

海外資産を持つ人に相続が発生した場合に何をすべきかですが、大きな流れとしては「日本の相続の場合と同じ」と考えればいいでしょう。

 

まず、国内財産と同様に海外財産を把握することから始めます。被相続人が遺言、トラストあるいはメモで残すか、または生前に相続人に口頭で伝えておけばスムーズな把握が可能です。

 

被相続人が不慮の事故で突然亡くなったような場合は、相続人に保有資産に関する情報を伝えきれてない可能性があります。そのときは、銀行預金や証券口座については銀行や証券会社から送られてくるステートメントで確認してみてください。名義、取引支店、取引履歴そして残高が確認できるでしょう。なお、現在はネットで確認する場合が多いようです。その場合はID番号等が分からず、家族が把握できない可能性がありますので気をつけてください。

 

また、不動産であれば、まず購入時点の売買契約書を探してください。不動産税通知書などが送られていると思いますので、それでも確認可能です。

 

また、被相続人の預金通帳があれば、その口座をできるだけ過去に遡って分析してみてください。大口の資金の出入りがあれば、どういうお金の入金なのか、どういうものを購入してお金が出ているのかを調べてください。被相続人の資料の中にそれらに関する請求書、領収書、契約書等があればそれと突き合わせて見ていくと、何らかの財産が出てくるかもしれません。

「現地国の相続」に精通した専門家を探す

このような情報収集と同時に必要なのが、海外のプロベートや遺産税・相続税手続きを行うプロフェッショナルを探すことです。

 

なぜなら、それらの手続きや法律は複雑難解で素人ではなかなか難しいものがありますし、スムーズに手続きを進めるためには実務的なノウハウに負うところが大きいためです。経験のない人が手続きを行うと数カ月で終わるところが数年もの長い年月がかかるケースもあり、最悪の場合には塩漬けになった財産を換金できず相続人に分配できなくならないとも限りません。

 

従って、現地国で外国人のプロベートや遺産税手続きに精通した弁護士あるいは会計士・税理士に依頼する必要が生じるでしょう。では、その専門家をどのように探すかですが、相続人が現地国の社会にとけ込んでおり知り合いが多いのであれば、そのネットワークを使えばいいでしょう。

 

しかし、通常の場合、相続人には現地にそのような知り合いがいるとは限りません。その場合は、国際的なネットワークがある日本の会計事務所あるいは弁護士事務所に相談するのも一つの手でしょう。あるいは、取引のある日本の金融機関を通じて海外の専門家の紹介を受ける方法もあります。

 

もっとも、税務手続きは日本と現地国との両国で相続税・遺産税の手続きが必要となる場合があり、そのときには両国間の二重課税の調整を行うことになります。従って、国際的に連携しており、両国の税制を調整できる細やかな対応が可能で英語でのコミュニケーションができる日本の会計事務所に依頼することで両国でのワンストップ対応が可能となります。いずれにしても、サービスの内容と報酬については何社か事前に見積もりを取ってみましょう。

本連載は、2014年9月18日刊行の書籍『海外資産の相続』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

永峰 潤

永峰・三島会計事務所  パートナー

公認会計士・税理士。 東京大学文学部西洋史学科卒業。米国ペンシルヴァニア大学ウォートンスクール卒業(MBA)。等松青木監査法人(現監査法人 トーマツ)、バンカーズ・トラスト銀行(現ドイツ銀行)を経て、現在、永峰・三島会計事務所パートナー。

著者紹介

三島 浩光

永峰・三島会計事務所 パートナー

税理士。
中央大学大学院商学研究科修了。BDO三優監査法人税務部門を経て、現在、永峰・三島会計事務所パートナー。

著者紹介

連載スムーズな相続を実現する海外資産の生前対策

海外資産の相続

海外資産の相続

永峰潤・三島浩光

幻冬舎メディアコンサルティング

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