「3年かかる」と言われる事業承継を1年で実現する方法

中小企業の事業承継にはトラブルがつきものですが、事前準備をしっかり行うことでこれらは回避できます。本連載では、1年で事業承継を可能にするための正しい事前準備の方法などを紹介します。

事業承継に踏み切れない経営者が多い理由とは?

中小企業が直面する事業承継は、一筋縄ではいきません。それらをくぐり抜け事業承継を成功に導くためには、十分な準備を行うことが最良の手段です。

 

とはいえ、実際に事業承継の計画を立てるとなると、意欲がしぼんでしまうという方も多くなります。その理由として第一に考えられるのが、特に中小企業においては承継にかける時間がないということでしょう。中でも「後継者を育てる時間がない」ことが、具体的な事業承継へと踏み切れない大きな足かせになっていると考えられます。「2013年版中小企業白書」の「後継者の養成における障害」のデータを見ると、やはり時間的な問題が抜きん出て高い数字となっています。

「短期間で失敗せずに」が事業承継の大前提

経営において、中小企業ではあらゆる部分で手腕を発揮するカリスマタイプの経営者の方がとても多いのは事実です。経営者の八面六臂の働きが中小企業の大きな核と言えるでしょう。

 

その中で事業承継を行うというのであれば、当然、「短期間で失敗せずに」が大前提です。そこで本連載の最大の目的はすでに提示した通り、1年での事業承継を可能にする手順をご紹介することです。

 

通常、事業承継には3〜10年の準備期間が必要と言われています。ところが、事業を続けてきた経営者の方ならばお分かりいただけるでしょうが、時間があり余るほどあり、多くの時間をかければ物事を十全に完了できるという中小企業経営者はほとんどいないというのが実情でしょう。

 

通常は最低でも3年と言われる事業承継を1年で達成するわけですから、時間不足は否めません。その結果、当然ながら効率的に行うことが不可欠です。求められるのは、まずは正しい手順を踏むことです。そして、やるべきことを絞り込むことです。あれもこれもと欲張って手を広げては到底達成には至らないどころか、進めていくうちに次々と課題が発生し、いつまでたっても完了できないという負のスパイラルにも陥りかねません。

 

次回は、承継に必要な準備を7つのステップに分けてご紹介します。

 

【図表 中小企業の事業承継に関するアンケート調査

出典:中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、株式会社野村総合研究所)
出典:中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」
(2012年11月、株式会社野村総合研究所)

本連載は、2016年6月24日刊行の書籍『たった1年で会社をわが子に引き継ぐ方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載1年で事業承継を実現するためのトラブル回避法

浅野会計事務所 所長
仰星監査法人 代表社員 税理士・公認会計士

1965年8月名古屋市生まれ。
1990年名古屋大学卒業。監査法人伊東会計事務所(現・あずさ監査法人/名古屋事務所)で10年間実務に従事、ノウハウを学ぶ。2000年2月、 浅野会計事務所を開業。創業以来、200件を超える事業者の適正申告や経営改善、事業承継など様々な側面からサポートを行っている。

著者紹介

たった1年で会社を わが子に引き継ぐ方法

たった1年で会社を わが子に引き継ぐ方法

浅野 佳史

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本の多くの中小企業が承継のタイミングを迎えています。承継にあたっては、親から子へと会社を引き継ぐパターンが多いのですが、親子間だからこそ起こるトラブルがあることを忘れてはいけません。 中小企業白書による…

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