airbnb物件でもコストをかけた「リノベーション」が必要な理由

前回は、airbnbで重要な「部屋のインテリア力」を高めるテクニックなどを紹介しました。今回は、airbnb物件でもコストをかけた「リノベーション」が必要な理由を見ていきます。

リノベーション費用は「最低200万円」が目安!?

Airbnbでは、内装や写真が大事だというお話をしてきましたが、魅力的な部屋をつくるには多少なりともリノベーションは必要です。これまでの通常賃貸とAirbnbでは借り手が大きく変わるため、新たな需要が生まれてきます。

 

たとえば、通常賃貸であれば、ターゲットが独身者か、カップルか、ファミリーかを意識して間取りを決めたり、男性向けか女性向けか、若い人か熟年層かといった性別や年代で内装を変えたりしていたと思います。これがAirbnbになると、「宿泊施設としての快適さ」や「外国人が求める普通の日本人の暮らし」「大人数にも対応できる広さ」などを意識することになります。

 

すると、インテリアは多少なりともラグジュアリー感が必要だとか、寝室の間取りを広めに取ろうなどといった工夫が必要になってきます。現状に少し手を加えるだけでクリアできる部分もあると思いますが、物件を本格的にリノベーションする場合には「200万円」を1つの予算の目安にすると良いと思います。

 

結論から言えば、壁紙を替えるだけ、床を替えるだけというリノベーションでは、あまり効果は期待できません。Airbnbに「暮らすように旅する」というコンセプトがある以上、そのコンセプトにあった心地よい空間を実現しなければなりません。さらに、定住するわけではなく、平均4泊のゲストにとって使い心地の良い空間を目指して、どういうリノベーションが良いのかを考えていく必要があるということです。

 

たとえば、冷蔵庫は小さめのものにするとか、ガスではなくIHヒーターにするとか、利用シーンを想像した上での家電の選定が必要になってきます。最重要であるベッドは、マットレスのクオリティが高く、寝やすいものにしなければいけません。

 

今までのウィークリーマンションなどでは、ベッドを置く際にもシングルユースなのかファミリーユースなのかという2択程度でしたが、Airbnbになると、ゲストは1人旅なのか、それ以上・団体・グループの旅なのか。もしグループだとしたら、少なくとも4~5人はどういうふうに泊まるのか。

 

もし、団体の中で男性も女性もいたら、同じ部屋には寝られないため部屋を分けないといけないかもしれません。2LDKの物件があったとして、それまで夫婦だけで使っていたため1ベッドで良かったものが、4〜5人泊まる場合には同じ広さで2〜3のベッドが必要になってきて、その配置を考えることが必要になってきたりもします。

 

ベッド1つとっても「なぜそれを置くのか」「どうしてこの配置なのか」を考えなくてはいけないのです。私の会社の最近の事例では、約17㎡の築27年のマンションをリノベーションしました。キッチンの新設、床替え、壁替え、天井替え、バスルームの入れ替え、2重サッシの取り付け、エアコンの取り替え、洗濯パンを室内に設置、照明を蛍光電気からスポットライトのものに替えるなどしました。

理由づけのある改修で、先行投資は回収できる

これらをすべて行って、経費は約200万円でした。200万円の費用がかかった理由は、床の素材です。床に無垢の木を使ったのですが、無垢の木を使うと全体的に温かみのある部屋になり、裸足で歩いても快適です。オークという硬い天然の木を使ったのですが、床をこうした本格的な素材にすると、CFの床や木を加工してつくった床とはラグジュアリー感が違い、大変に喜ばれます。

 

写真での見た目には、ぱっと見はそこまで大きく変わりませんが、実際に足で触れてみると木の良さが伝わるため、「想像以上にリラックスできた」「期待以上の部屋に泊まれた」とレビューが良くなります。反対に、Airbnbに不要なものは収納スペースです。

 

普通に住むためのリノベーションとなると、クローゼットや床下収納などはあるに越したことはありませんが、Airbnbのゲストはたいてい旅慣れていて荷物がコンパクトですし、スーツケースの中に洋服を入れて生活するのが普通です。むしろスーツケースを広げられるような広い間取りのほうが好まれるため、リノベーションでは棚を取り付けたりすることはむしろマイナスに働きます。

 

ただし、生活消耗品の収納場所は確保しましょう。Airbnbを運営する上でトイレットペーパー、洗剤、キッチンペーパーなどの消耗品はストックする場所が必要です。こうしたものは床やベッド、階段の下に収納することが多いです。押し入れなどデッドスペースをうまく活用して収納します。リノベーションには当然コストがかかります。

 

しかし、Airbnb向けにきちんと理由づけをして設計すれば、そのコストを回収して余りある家賃がきちんと入ってきます。そう考えれば、この先行投資は決して無駄な話ではありません。Airbnb専用に思い切ってリノベーションすることは怖いかもしれません。「もし思い切ってやってみて、いざオープンしてみたら稼働率が上がらなかったらどうするのか」という声もあるでしょう。

 

しかし、考えてみてください。もしAirbnbで利用がなくても、物件自体の魅力はその時点で上がっているのです。一度魅力を高めた部屋は活用の幅が広がります。もともと1棟もののアパート・マンションなので、通常賃貸で借りたいと思う人も出てくるでしょう。そうだとしたら、1棟のうちの一部屋は賃貸には出さないで、モデルルームにしてしまっても良いのです。

 

20部屋あるうちの一部屋はモデルルームとし、残り19部屋は通常賃貸に戻すというやり方ができます。各家電が一揃い入っていて生活のイメージができれば、賃貸にも弾みがつくはずです。

 

Airbnbの手始めに、まずは一部屋だけリノベーションしてみると良いのではないでしょうか。ちなみに、「屋上も使えたら面白いのでは?」というアイデアもあります。たしかに屋上に庭園をつくったりウッドデッキを置いたりすると、ゲストが喜ぶ物件になるでしょう。

 

ただ、屋上を含め、物件のうちの部屋の外の部分については、騒音というファクターに敏感になる必要があります。Airbnbでは、隣人との騒音でしばしばトラブルになることがあるからです。リノベーションの際には、通常賃貸以上に騒音の可能性について敏感になっておく必要があります。

本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載中古アパート・マンションが生まれ変わる「airbnb運用」

リスクマネジメントグループ代表
株式会社リスクマネジメント・アルファ代表取締役
株式会社エース管理取締役 

1970年8月23日愛知県蒲郡生まれ、蒲郡育ち。27歳のとき、外資系保険会社にヘッドハンティングされ転職。2002年、31歳で独立開業。その後、株式会社リスクマネジメント・アルファを設立。不動産を扱う業務が増えたため、不動産売買仲介を行う株式会社エース管理を設立する。

著者紹介

Zens株式会社 代表取締役

1987年長崎県諌早市生まれ。17歳でニュージーランドに渡り、オークランド工科大学ビジネス学部卒業後、共同購入クーポンサービスで起業、その後株式会社トーチライトを経て2011年6月に株式会社Zen Startupを共同創業し、2013年8月に北米市場向けFacebook解析ツール「ZenMetrics」を開発・マーケティングを行う。2014年、自身がAirbnbホストになったことをきっかけに8月よりAirbnb内装・運用代行サービスを開始。

著者紹介

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

小沢 吾亘・町田 龍馬

幻冬舎メディアコンサルティング

ここ数年“サラリーマン大家”という言葉が定着してきました。年功序列や終身雇用制度が崩壊し、将来に不安を抱えるサラリーマンが安定した資産を築く手法として注目しているのが不動産投資です。こうしたサラリーマン大家の大…

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