契約形態によって異なるオペレーティングリースの損金処理

前回は、オペレーティングリースを少額出資で始められる「匿名組合契約」について説明しました。今回は、オペレーティングリースの組合契約を利用した節税対策における留意点を見ていきます。

個人の匿名組合員が分配される利益は雑所得

組合契約を利用した節税には、一定の制限が課されているので、ここで整理しておきたいと思います。契約者が個人である場合と法人である場合で制限の内容が異なりますが、まず、個人の場合について解説します。

 

民法に規定する組合契約(いわゆる任意組合)および投資事業有限責任組合契約において、特定組合員(組合事業への実質的な関与度合いが低い組合員)に該当すると、組合事業から生じる不動産所得の赤字がある場合には、所得税法上、その赤字は生じなかったものとみなされます。

 

有限責任事業組合契約においても、組合事業から生じる赤字は基本的に出資金額の範囲内に制限されます。個人の匿名組合員が営業者から分配される利益は雑所得として扱われ、その損失については損益通算が認められません(図表)。

 

【図表 個人のオペレーティングリース】

法人の場合は基本的に出資金額が限度に

次に、法人の場合ですが、民法に規定する組合契約、商法に規定する匿名組合契約及び投資事業有限責任組合契約において、特定組合員に該当すると、原則として組合損失額の損金算入は出資金額が限度になります。

 

有限責任事業組合契約においても、組合損失額の損金算入は基本的に出資金額が限度になります。1000万円を出資している場合、1000万円までしか損金には算入できません。さらに、匿名組合事業が損失補てん契約などにより事業全体として損失にならない場合は、単年度で生じる匿名組合損失額はすべて損金にはなりません。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『スゴい「減価償却」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

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杉本俊伸税理士事務所 所長・税理士

1967年宮城県生まれ。中央大学法学部を卒業後、国税庁入庁。大曲税務署長、関東信越国税局調査査察部国際調査課長、ハーバード大学ロースクール、財務省主計局主計官補佐、国税庁資産課税課課長補佐、税務大学校研究部主任教授兼国税庁国際業務課、東京国税局調査第三部長等を経て、2013年12月退官。2001年米国公認会計士資格合格。東京国税局の調査部長として大企業の税務調査を指揮したほか、国税庁では全国国税局の資産課税事務の指導監督などを経験。現在は相続・事業承継、税務調査対策、国際税務に関するコンサルティングに取り組んでいる。

著者紹介

スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

杉本 俊伸+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

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