前回は、将来価値が高い不動産の条件について説明しました。今回は不動産の売買のタイミングについて見ていきます。

中古でも新築でも重要となる売買タイミング

前述したとおり財産価値の下がりにくい土地は、中古であっても不動産価格は下落しにくいものです。また、そうした土地は先行して立地条件の良いところにマンションが建っているのですから、その面から考えても無理に新築を狙う必要はありません。

 

しかし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見込んだ地価の上昇に対応するマンション選びに関しては、私は極力、新築をすすめます。なぜなら、市場の好況を受けて中古マンション業者の多くが価格をつり上げてきているからです。

 

業者・売り手にとって「高くても売れる」とわかれば、高い値段をつけたくなるのは道理です。しかし、何も買う側が必要以上に高いものをわざわざ買う必要はない、と考えたわけです。中古であっても新築であっても、重要なのは売買のタイミングです。

 

現在の価格の動きや将来予測を見極めつつ、売買のタイミングを捉えることが大切になります。そのタイミングの重要性に比べれば、どうやったら節税になるか、将来の相続税対策として何が有効かといったことは、「思考停止している人」の考え方のようにすら思えます。

 

より機を見るに敏の姿勢で賢く所有し、かつ利用していったほうが、自分と家族が幸せになれるのです。なお、首都圏湾岸地域、オリンピックに関連づけていうと、すでに2013年の秋以降の時点で建築資材の値段や労務費などが大幅に上がってきていますので、購入するなら早めに選ぶことが得策です。

 

1年後に完成するマンションをいま購入する・・・、そのくらいの感覚でよいでしょう。さらにオリンピック以後は、いったんリバウンドして物件価格は下がります。おそらく、3年くらいは下落し続けるはずです。その頃から、また本当に立地条件の良い地域に建設されたマンションの価格は緩やかながら上昇に転じるでしょう。

オリンピックが始まる前に不動産市況は悪化!?

株式も不動産も同様ですが、概ね4年周期で波がきています。ですから、いまオリンピック景気を想定して購入した好条件の不動産を、投資額の回収のために売却するなら、オリンピックの1年前、いまから4〜5年経った頃に好条件で売却できると思われます。不動産は、価値のある不動産と価値のない不動産に分かれます。

 

価値のある不動産については様々な減税措置を活用しても効果がありますが、価値の少ない不動産は少しでも景気がよいときに処分することをおすすめします。オリンピックに関連していうと、どの過去の例を見てもオリンピックの前年に、不況に陥っています。前年あたりから中古不動産の売りが増え、価格が下落するわけです。

 

オリンピックが始まったときには、すでに不動産市況は悪化しているはずなので、その1年前ぐらいまでに資産家自身にとって資産価値に自信のない不動産はできるだけ処分するとよいでしょう。

 

値段が上がっていくと買い手にとっては買いにくくなるのですが、銀行は積極的な融資姿勢を持ちますので、融資は受けやすくなります。ですから、その時期にできるだけ売却すべきものを処分しておいたほうがいいのです。

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    本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『塩漬けになった不動産を優良資産に変える方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    相馬 耕三

    幻冬舎メディアコンサルティング

    バブル崩壊以降、買ったはいいものの収益を生んでいない賃貸物件や、地価の暴落でほったらかしになっている土地を抱える不動産オーナーは多くいます。ソニー生命の不動産整備などを実現してきた経験豊富な不動産コンサルタント…

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