前回までは、資金30万円を元手にした「30万円コース」を例にとり、保有銘柄を売却するか、保有継続するかの判断方法を説明しました。今回は、世界同時株安といった急変時、所有している銘柄をどうするべきかを見ていきます。

本格的な暴落か「一時的な調整」かを見極める

1年のうちたいてい2〜3回は、日本の株式相場全体が大きく下がるという局面があります。下落する理由はさまざまですが、たとえば上昇が続くと相場に過熱感が出てきて、ちょっとしたきっかけで一時的に調整するといったケースが少なくありません。

 

相場が全体的に下落すると、保有している銘柄自体に特別な問題がなくても「ツレ安」つまり相場に引きずられて下落してしまうことがよくあります。逆に、そんな相場でも株価が堅調に推移する銘柄もあります。

 

「相場全体の下落」といっても、下落の規模や状況などはその都度違うため、一概には言えませんが、わざわざツレ安している銘柄にこだわり続ける必要はありません。一旦現金化し、次の相場展開を見極めて、仕切り直すことが重要です。

 

(保有銘柄自体には下げる理由がないというのが前提ですが)大きな下げでなければ、1〜3日程度なら様子を見るというのもひとつの考え方です。

下がり続ける局面では株の保有自体がストレスに・・・

しかし、銘柄の乗り換えや様子見ではなく、即座に現金化したほうがよいケースもあります。それは、「世界同時株安」の可能性が考えられる場合です。

 

たとえば、2008年9月のリーマンショックや欧州危機、直近では2015年8月の中国ショックとも呼ばれるような大暴落が起きた際には、初期の段階ですべての保有株を売却することを強くお勧めします。

 

保有したままでいると、世界同時株安に巻き込まれて資産を減らして、含み損を抱えるリスクが大きいためです。これでは下がったときに動けなくなります。

 

リーマンショックと中国ショックの原因はまったく異なるものですが、問題の根が深く、世界の複数の国々に多大な影響を及ぼすという点では同じです。こうした事態に陥ると、プロの投資家でもいつ下げ止まるのかを完全に見通すことは困難です。ましてや、投資初心者が保有株を売却せずに、放置してしまうことは絶対に避けるべきです。

 

どの程度下げるのか、いつまで下落が続くのかがわからない状態では、株を保有していること自体が大きなストレスになります。

 

しかし、現金化しておけば下落のストレスとは無縁で、落ち着いて相場の状況を傍観していられます。また、下げ止まったときには優良な銘柄を安く仕込めるチャンスになりますから、そういう意味でも世界同時株安などの急落時には現金化しておくことが大切です。

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    本連載は、2016年2月1日刊行の書籍『資金30万円を巨額資産に大化けさせる銘柄「乗り換え」株式投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書のケーススタディと本文で取り上げた銘柄の売買タイミングは、すべて「ライジングブル投資顧問」で提供している売買サポートの一例です。売買タイミングは、各コースで異なります。投資はご自分の判断で行ってください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

    資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

    資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

    藤村 哲也

    幻冬舎メディアコンサルティング

    給料がなかなか上がらない、預貯金をコツコツ貯めてもほとんど増えない――。資産運用の難しい時代です。 株式投資は、実は資産を安定的に大きく増やせる“堅実”な運用術です。安定運用のコツはただひとつ。上手に銘柄を「乗…

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