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連載30年後も子孫が「資産家」であり続けるための不動産活用術【第3回】

不動産経営では「長期的視点」が絶対不可欠な理由

不動産投資

不動産経営では「長期的視点」が絶対不可欠な理由

前回は、不動産経営においても「付加価値」が重要になる理由を説明しました。今回は、不動産経営では「長期的視点」が不可欠な理由を見ていきます。

不動産は年々劣化し、賃料も下がっていく・・・

不動産をプラスに転じさせ、かつ持続させていくために重要なことは、長く収益を上げ続けるための仕組みをつくることです。

 

不動産経営は長く安定的に続けることで収益を上げるビジネスです。バブル期のように不動産価格が上昇するような時期であれば売買で一瞬のうちに巨額の利を得ることもできますが、経済が低迷し不動産価格もさほど上がることが期待できない今の日本において、売買で巨額の利益を上げるのはかなり難しくなってきています。

 

それを考えると、売買ほど景気とストレートに連動せず、一度入居が決まれば定期的に賃料収入が入る不動産経営は安定的で手堅いビジネスです。

 

その一方で、不動産経営は長く続けるほどリスクも高まるという特徴のあるビジネスでもあります。それは築年数が経てば経つほど、建物は劣化するため。賃料がもっとも高いのは新築時で、それ以降、経年とともに賃料は下落します。

 

一般的には築20年、30年ともなると1割、2割家賃が下がることもあり、しかも、空室が生じるとそれを埋めるのが大変な状況にもなってきます。半面、建物の維持にお金がかかるようにもなってきます。建ててから10年以上も経つと各種設備が故障したり、外壁、屋根などの塗り替えなども必要になり、新築時に比べると出費は年々増加傾向になることが予想されます。賃料は下がるのに、出費は増えるのです。

 

そのため、投資、運用をはじめる時点で競争力の高い物件を建てることに加え、長期的にその物件をどう運用していくかという観点も大切になってきます。具体的な維持管理をどうするかももちろんですが、筆者が重視しているのは、物件単体をどうするかというだけでなく、その所有者である一族の将来を考えて、資産全体のなかでその物件をどうしていくかという観点です。

行き当たりばったりでは資産を失うことに

物件建設後、20年、30年と経っていくと建物が劣化するばかりでなく、所有者にも、そのご家族にも変化が生じていきます。家族構成や事情が変わっていれば、もう一度相続を考える必要も出てくるはずで、取るべき対策も違ってきます。今必要とされている物件やサービスが30年後にもまったく変わらない、ということはないでしょうから、その時代に合わせたソリューションを考える必要も出てくるでしょう。

 

その意味でこれから不動産を利用して資産維持を考えるのであれば、長期にわたって資産全体から考える視点が非常に重要になってきます。不動産の場合、入居者募集の必要が生じた時のみ不動産会社に委託するというようなやり方をするケースが少なくありませんが、そうした短期的な、目の前の作業を処理するという考え方では、30年後に資産を残すのは難しくなります。

 

相続は、今目の前にある問題であると同時に、一族の資産にとっては30年後にも、さらには50年後にも2度3度と繰り返し起こる問題です。そうした視点で長期的に考え、そのたびにベストなチョイスができるようにしておかないと、今はとりあえず何とかできたとしても、資産を長く維持することはできません。

本連載は、2015年1月23日刊行の書籍『大増税時代に資産を守る富裕層の不動産活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

磯部 悟

株式会社みらい経営 代表取締役

昭和47年浜松市生まれ。名古屋大学卒業後東海銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。法人融資担当から大手企業での上場準備経験を経て、平成15年財務支援コンサルタントとして株式会社みらい経営を創業。資金調達、事業再生、資産形成支援、承継支援、不動産流動化支援と事業を順調に拡大。
平成16年には不動産賃貸・管理業務の株式会社アットイン設立に参加、経営に携わり平成26年にグループ化。経営・財務コンサルティングから動産・不動産活用・管理までワンストップで対応できる総合力を強みに、現在グループ5社を率いている。

著者紹介

連載30年後も子孫が「資産家」であり続けるための不動産活用術

大増税時代に資産を守る富裕層の不動産活用術

大増税時代に資産を守る富裕層の不動産活用術

磯部 悟

幻冬舎メディアコンサルティング

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