保険販売の代理店手数料、監督官庁の怒りを受けて「公開」へ

これまで顧客側には明かされていなかった「保険代理店の販売手数料」について公開の動きが本格化しています。その理由と顧客側のメリットなどを解説します。

顧客保護の観点で未熟といえる保険業界だが・・・

今回は、保険営業担当者や保険代理店の販売ルールに関する、顧客側としてぜひ知っておきたいトピックをお伝えいたします。

 

多くのビジネスでは、原価やコストに関する大方の情報は、顧客側も知ることができますが、保険の世界では、

 

・この保険代理店はいくらもらっているのか?
・この銀行員、この銀行は保険の販売でいくらもらっているのか?

 

といったことが、ほとんど知らされていません。

 

その「聖域」が、銀行での保険販売から、いよいよ破られることになりました。保険販売によって、銀行を含む保険代理店は「手数料」を受け取っていますが、この内容が開示されることになるのです。

 

これまで何度もこういったチャンスがありましたが、一部ニュースでも報道されているように、金融庁長官も「激怒」するほど、銀行が開示を渋ってきました・・・。

 

特に地方銀行の抵抗が強かったと言われますが、このままでは「そこまで人に言えない商売をしているのか?」という不信感が募るばかりです。

 

「投資信託は手数料を開示しているのに、なぜ保険は開示しないのか?」といった、資産運用商品を販売する、別業界からのクレームが多いのも事実です。

 

保険販売は、かつての「縁故知人に販売する」という伝統的なカルチャーから、「銀行の窓口などで販売する」というところまで販路も大きく広がっていますが、これだけ長く続いている業界にも関わらず、

 

・間違った情報提供に基づいて保険を契約してしまう
・間違った情報提供する営業担当者なのに「縁故知人だから」と信じてしまう
・本来ミスリードだが、販売側が売りやすいセールストークが蔓延している

 

などなど、顧客保護の観点からすると他業界に比べて本当に未熟な業界です。

 

今回の手数料の開示をきっかけとして、保険に関する情報発信、正確な情報提供は一層進み、「販売担当者」による説明不足や間違った説明を防ぐこともでき、業界全体が良い方向に進むと思われます。

円建てより「外貨建て」を勧めてくる理由も一目瞭然

ちなみに、銀行が受け取っている販売手数料については、一般の代理店よりも、優遇されている場合が多く、

 

・円建ての一時払終身保険・・・一時払保険料の0.5%前後
・外貨建ての一時払終身保険・・・一時払保険料の10%前後
・医療保険やがん保険などの掛け捨て商品・・・年払保険料の100%前後

 

が、一般的な銀行の取り分となっています。

 

これを見ると、

 

・なぜ円建てより「外貨建て」をしつこく提案してくるのか?
・なぜ、医療保険やがん保険などの「掛け捨て商品」ばかり提案してくるのか?

 

といったことの理由が一発でわかってしまいます。筆者も、保険会社在籍時代、銀行代理店をサポートしていましたが、銀行員の方々から、

 

「手数料上げないと売れないよ」
「別の会社は10%だよ、なんでお宅は8%なの?」
「10%にしてくれないと現場の行員は売りづらいよ」

 

といった厳しい声を掛けられたことが何度もあり、

 

「顧客のことよりも、銀行の収益のことをまず考えないといけないな」
「銀行員さんが売りやすい体制を作ることが大切だな」

 

という思いを抱いたことを覚えています。

 

いくら相手が紳士に見えても、基本的には商売人。少しでも利益率の高い商品を売りたいのは当然です。

 

今回のような動きが保険業界にあることをしっかり理解し、販売担当者に言われるままに保険を契約するのではなく、大切な財産を守る資産防衛の手段として、知識を深めて活用していただきたいと思います。

本コラムは、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回り等を保証するものではございません。また、本コラムは、平成28年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もございます。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時には契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

連載人気書籍の編著者が明かす、新発想の生命保険活用術

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