前回は、オークションで価格を冷静に判断するためのポイントを説明しました。今回は、コイン投資の利回りを予想する方法と、出口戦略の長期的手法、短期的手法を見ていきます。

平均して「3割程度」の利益を目安にする

コイン投資では、購入するときの「入口」も重要ですが、どの程度値上がりしたら売却して利益確定をするのかという「出口」のシナリオも、あらかじめ描いておく必要があります。

 

筆者の経験でいえば、購入金額に3割程度を載せた金額を売却目標にするのがよいと考えています。それ以上を望むと痛い目に遭う可能性がありますし、それ以下ではコイン投資のメリットが十分に生かせません。

 

このリターンは、オークションの実績から予測するしかないので、明確な答えはありません。価格が2倍、3倍になるものもあるので、一概にはいえませんが、平均して3割程度の利益を目安にすれば、失敗はないでしょう。

コイン投資で最も確実な方法は「買い占め」!?

日本ではコイン投資のマーケットはまだ未成熟です。オークションで売買するにもコインの鑑定を受けるにも海外の会社、特にアメリカの会社を利用することになるので、ある程度の時間がかかります。ですから、短期売買には向きません。少なくとも5年スパンで考えておいたほうがよいでしょう。

 

枚数の少ないものを狙って買っていけば、5年間で2倍を狙うことも十分にできます。今後、日本の投資家が増えれば、オークションに出てくる枚数が減ってきますので、さらなる価格の上昇が期待できます。

 

たとえば、20ドルのプルーフ金貨はこれからコイン投資を始める人にはお勧めですが、これが日本の投資家に年間15枚程度購入されるようになると、価格が5年で2倍になることは高確率で期待できます。オークションに出たら落札して、自分で買い占めていくこともできます。

 

そうすれば、自分の保有しているコインの価格を自分で上昇させることが可能になるのです。

 

そういう意味では、コインの市場は少ない資金で買い占めができるので、自分で価格をつくることができるともいえます。たとえば、2000万円のコインを10枚買っても2億円です。その程度の投資金をコインにシフトできる人は日本にも相当数存在します。

 

ですから、コイン投資で最も確実な方法は「買い占めるつもりで買っていけ」ということになります。枚数の少ないものを買い占めて、市場に出ないようにすれば、いざ出したときにすごい値段につり上げられるのです。

 

実際に私自身も買い占めをしています。ファーストスパウズというコインですが、私の買い占めによって、実際に価格が上がっています。同じように買い占めをすれば、価格は上がりますから、これは投資法として有効です。

 

投資期間が5年というのは長く感じるかもしれませんが、不動産でも所有期間が5年以下で売却すると税金面で不利になりますから、やはり5年超が基本になります。コインもそれと同じ感覚で考えれば、決して長いとはいえないでしょう。

 

本連載は、2016年2月12日刊行の書籍『超富裕層だけが知る資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

超富裕層だけが知る 資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資

超富裕層だけが知る 資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資

石山 幸二

幻冬舎メディアコンサルティング

増税、インフレ…多額のお金を持っているほど、資産を「守る」ことが難しくなった現代。不動産や保険など様々な投資対象が資産防衛手段として喧伝されていますが、未だに唯一解は提示されていません。 そんな中、本書では知ら…

TOPへ