今回は、郊外かつ駅から遠い場所に建つ親の自宅についてどのように対処するべきか見ていきます。※本連載は、執筆活動の傍ら、億単位の資産を運用する個人投資家としても知られる加谷珪一氏の著書、『30年後もお金に困らない!共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)の中から一部を抜粋し、高齢となった「親にまつわるお金」の扱い方を見ていきます。

★ お金持ちになれる人 ➡ 投資の観点から検討する

★ お金に縁がない人  ➡ 親に何かあったら考える

 

介護と並んで高齢化社会で大きな問題となりつつあるのが実家の管理です。親が遠隔地に住んでいる場合には、実家の管理が子供にとって大きな負担となる可能性があります。実家が親の持ち家という人は、将来的に実家をどうするのか、早い段階で検討しておいた方がよいでしょう。

お金持ちになれる人は、自分の実家についても収益資産という視点を忘れません。これがあるのとないのとでは、大きな差がついてくることになります。

š今後、一部を除く住宅用不動産の価値は下落する

日本は人口減少が進んでおり、一部の超一等地を除いて住宅用不動産の価値は下がる傾向が顕著となっています。郊外で駅から遠い戸建物件の場合、イザという時に売却したくても、なかなか売れないということが想定されます。

 

自分の実家がそのような条件に当てはまる場合には、できるだけ早い段階で売却し、利便性の高い場所にあるマンションなどに住み替えるのが得策です。しかし、ここで問題となるのが親子のコミュニケーションです。

 

十分な資産価値がない場合には、売却しても広いマンションには転居できない可能性が高く、親にとってみれば、住み慣れた場所を離れ、スペースも狭くなるわけですから、かなりの心理的負担となります。転居した方がよいとわかっていても、なかなか決断できないものです。

 

こうした場合には、あせらずじっくりと親子でコミュニケーションを深めるしかありません。

価格が維持できる不動産は高齢者にとっても住みやすい

転居する物件選びにも注意が必要です。

 

高齢になって体が不自由になると、ゴミ出しや買い物などにも難儀します。今後、親の体力は想像以上に低下すると考え、多少築年数が古くても、利便性の高い場所にあり、ゴミ置き場などの公共スペースが広く使いやすい物件を選択することが大事です。

 

病院が近いことや、スロープがあること、公共スペースの床に滑り止めが施してあることなど、高齢者にとって大事なポイントはまだまだあります。

 

これからは高齢者が増えるわけですから、こうした点をクリアした物件なら、価値も維持されます。

 

[図表]親が住みやすい物件は有益な投資物件になる

 

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

加谷 珪一

CCCメディアハウス

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