今回は、自分の家計に対する老親の医療費・介護費の影響を最低限に抑える方法について見ていきます。※本連載は、執筆活動の傍ら、億単位の資産を運用する個人投資家としても知られる加谷珪一氏の著書、『30年後もお金に困らない!共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)の中から一部を抜粋し、高齢となった「親にまつわるお金」の扱い方を見ていきます。

★ お金持ちになれる人 ➡ 元気なうちから準備しておく

★ お金に縁がない人  ➡ 面倒なので考えない

 

日本は超高齢化社会に突入しており、子供の人数が少なくなっていますから、介護問題は今後ますます重要となってきます。これからの時代は、親の介護についてどれだけ戦略的に取り組むことができるかで、家計の豊かさが大きく変わることになるでしょう。

š介護と病気はセットになることが多い

日本では介護保険が整備されていますので、一定の金額以内の介護であれば、1割もしくは2割の自己負担で対応することができます(所得に応じて変わってきます)。

 

生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる月額費用の平均値は約8万円です。ただし、この結果にはバラツキがあり、2万5000円以下で済んでいる人が25%いる一方で、15万円以上かかっている人も16%ほど存在します。状況によってかかる費用は様々なのです。

 

では、どのくらいお金がかかるのかまったく読めないのかというと、必ずしもそうではありません。

 

介護する期間が4年未満だった人は全体の半分を超えています。期間を10年未満にまで伸ばすと8割を超えます。したがって、月額の費用については読めないものの、おおよその期間についてはある程度の見通しが立てられるわけです。

事前準備することで医療費・介護費の影響を抑える

こうした支出でご自身の家計が大きな影響を受けないようにするためには、事前の準備がモノを言います。世間一般では、高齢化して体が徐々に言うことを聞かなくなり、やがて介護が必要になるというイメージですが、現実はそうでもありません。

 

こうした典型的なプロセスで要介護となるケースもありますが、多くの場合には疾患と関係する形で介護が始まります。例えば、今までピンピンしていた人が急に脳梗塞で入院し、手足が不自由になって、そのまま要介護認定を受けるというパターンです。

 

入院、手術、介護と、立て続けにいろいろなことがやってきますから、多くの人は混乱してしまいます。介護保険でどこまでがカバーされるのかわからず、パニックを起こす人もいるでしょう。こうしたことを防ぐには、事前に介護保険制度の仕組みを理解しておくことが何よりも重要です。予備知識があれば、介護プランを策定するケアマネージャーとも建設的に話をすることができますし、何よりも慌てずに済みます。

 

日本では公的な介護施設が決定的に不足しており、在宅介護に頼らざるを得ません。親の近くに住んでいると圧倒的に有利です。親が高齢化してきたら、自分たちの近くに転居させることも真剣に考えた方がよいかもしれません。

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

加谷 珪一

CCCメディアハウス

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