相続・事業承継 相続対策 節税
連載相続発生後でも間に合う節税策~評価・申告のとき編【第7回】

「居住用地」「事業用地」を対象とする相続税評価の減額制度

小規模宅地等の特例

「居住用地」「事業用地」を対象とする相続税評価の減額制度

前回は、都市計画道路予定地を含む土地、区画整理中の土地はどのくらい相続税評価を減額できるのかを説明しました。今回は、「小規模宅地等の特例」を適用することで、居住用地、事業用地の評価額を減額する事例を見ていきます。

居住用と事業用の特例を合わせて730㎡まで使える特例

被相続人が事業や居住のために使っていた土地は、相続人にとって生活基盤財産であり、納税のために簡単に手放すことができない事情があります。

 

そこで、相続した土地のうち、居住用は330㎡、事業用は400㎡までに対し、一定の割合で土地の評価額を減額できる制度があります。この特例を「小規模宅地等の特例」といいます。

 

この特例の対象区分は、「特定事業用宅地等」「特定居住用宅地等」「特定同族会社事業用宅地等」および「貸付事業用宅地等」のいずれかに該当する宅地等となっています。

 

①80%の減額適用

 

特定事業用地に該当する場合は、親の事業を子が引き継ぐこと等が要件となり、居住用の土地は相続後も継続等して相続人が居住すること等が要件となる。

 

②50%の減額適用

 

賃貸事業用の宅地は200㎡までが限度で、相続後も継続して貸付事業を行うことが要件となる。

 

80%の減額を受けることができる居住用の土地330㎡と事業用の土地400㎡については、従来であれば、合わせて400㎡までとされていました。

 

しかし、2015年1月1日より、条件が緩和され、併用して減額を受けることができるようになりました。よって合わせて730㎡まで80%減額できるため、同居して家業を継ぐ相続人のメリットが大きくなったといえます。

小規模宅地等の特例を節税に活かす具体例

遺産分割によって節税する方法の1つに、この「小規模宅地等の特例」をうまく利用することが挙げられます。居住や事業を継続する人が相続することで適用でき、減額が大きくなるので、相続税を減らすことにもつながります。

 

居住や事業を継続する人が複数いる場合は、誰から優先して特例を適用させるかを検討する必要もあります。

 

たとえば、父の死に伴って母と子が相続する場合、母には配偶者の税額軽減を適用し、子から優先して小規模宅地等の特例を適用させます。そして、母が死亡したときの二次相続では、再び特定居住用宅地等として減額を受け、トータルでの節税を実現します。

 

なお、居住用の土地と事業用の土地が別にあり、路線価が違う場合は、どちらに適用したほうが節税額が大きくなるかを比較してから選択するようにします。

 

 

 

<キーワード>

 

小規模宅地(しょうきぼたくち)

 

被相続人の事業または居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の面積までを指す。居住用は330㎡、事業用は400㎡まで、貸付用は200㎡まで、一定の割合で減額できる「小規模宅地等の特例」を使うことで、納税額を減らすことができる。

本連載は、2014年12月17日刊行の書籍『図解でわかる相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル改訂版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

曽根 恵子

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

連載相続発生後でも間に合う節税策~評価・申告のとき編

図解でわかる相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル改訂版

図解でわかる相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル改訂版

曽根 恵子

幻冬舎メディアコンサルティング

相続が発生してからでも、数千万円~数億円単位で節税を実現する相続税対策を中心に、前作同様毎項目ごとに入った図解で視覚的に相続税の節税方法が理解できることはもちろん、相談件数1万件以上の著者だから書ける豊富な実例…

Special Feature

2016.11

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

海外不動産セミナーのご案内

「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

~世界の投資家が集まるニューヨークでの不動産投資とは?  現地日系の最大手不動産会社の担当者が語るNY不動産活用術

日時 2016年12月07日(水)
講師 川上恵里子

事業投資セミナーのご案内

いま最もアツい再生可能エネルギー「風力発電」投資を学ぶフェア

~2016年度の買取価格は55円。業界の最新事情と専門会社が取り扱う投資案件の実際

日時 2016年12月07日(水)
講師 近藤陽一

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

The Latest