土地の相続対策における「測量」の重要性を理解する

問題地をはじめとする土地の処分にあたり、まず必要となるのが土地の「測量」です。できるかぎり早い実施がポイントですが、今回はその理由を見てきましょう。

測量はできるだけ早めに行っておく

底地を売却するにしても、等価交換を行うにしても、その前提として土地の測量が必要となります。

 

土地の面積は公簿に示されていますが、公簿と実際に測った面積が異なっていることは珍しくありません。公簿では100㎡となっていても、実際には90㎡しかないかもしれません。1坪違うだけでも、資産価値が大きく変わる可能性があるのですから、土地を購入する側からすれば、測量をして正確な面積を伝えてほしいと思うのは当然のことです。

 

測量は、できるだけ早めに行っておいた方がよいでしょう。というのは、測量を行うためには土地の境界に接している隣地の所有者全員の同意が必要となるのですが、この同意を得ることが非常に厄介な問題となるケースが多いからです。

 

かつては、この同意書面に押してもらうハンコは認印でもよかったのですが、現在は、実印が求められています。実印となると、中にはやはり身構えてしまう人もいます。「悪用されるのではないか」 と疑われ、なかなかイエスとは言ってもらえないこともあるでしょう。

 

また、隣地の所有者は、境界がすぐに確定しなくても何の不利益も被りません。そのため、日頃、その所有者との関係が良好ではなかったり、仲違いしていたりする場合には、「同意書面にはハンコを押さない」 などと嫌がらせを受けることもあります。

 

実際、こうした事情のために、測量を終えるまでに半年、1年かかるなどというケースはざらです。そうなれば、等価交換を仕掛けたくても、測量ができないためにズルズルと時間がたってしまい、結局、そのタイミングを失ってしまうことになりかねません。

 

ですので、万が一そのような測量を妨げるような事情があれば、速やかに解消しておくことが望ましいでしょう。

生前に測量をしていれば相続税を減らす効果も

細かい話になりますが、測量は被相続人の生前に行っておくことをお勧めします。土地の規模にもよりますが、測量をすれば、その費用として50万円、100万円という金額が飛んでいきます。被相続人の生前に行っていれば、測量費用の金額分だけ相続財産が減ることになります。ということは、とりもなおさず相続税も減少することになるわけです。

 

しかし、相続の後に測量を行って相続財産の中から測量費を出しても、相続税は減少しません。相続税は、あくまでも相続が発生した時に存在する相続財産に課せられるのであり、相続後に費消されたものについては原則的に考慮してもらえないからです。

 

したがって、相続税を少しでも減らしたいのであれば、やはり相続発生前に測量を行っておくことが望ましいといえるのです。

本連載は、2014年1月31日刊行の書籍『相続財産を守りたければ不要な土地は片付けなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載地主の相続財産を守る、土地の「片付け方」

小池税理士事務所 所長・税理士

1978年早稲田大学法学部卒業。大学卒業後、興亜火災海上保険(当時)入社。1980年に退職し、石川税理士事務所に入所。1981年日商検定2級に合格。1987年税理士試験合格(簿記、財表、法人税法、所得税法、相続税法)。1989年石川税理士事務所 副所長就任。1994年同所を退職。1995年東京都町田市に小池税理士事務所開業。同年横浜市緑区に事務所を移転。現在に至る。開業以来、農家を中心とした地主の相続税申告を多数手掛ける。事前対策の必要性を痛感し、「家を守る」という観点から、相続の事前対策により重点を置いて活動している。

著者紹介

相続財産を守りたければ 不要な土地は片付けなさい

相続財産を守りたければ 不要な土地は片付けなさい

小池 誠一郎

幻冬舎メディアコンサルティング

大増税時代を目前に控え、地主の頭を悩ませる相続の問題。特に深刻なのが、かつて都市近郊で農業を営んでいて広大な土地を有している地主の方です。先祖代々農業を営んできた地主の方は、土地を手放すことへの後ろめたさがあり…

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