動物病院を法人化する際の選択肢とは?

前回は、動物病院の経営は個人・法人のどちらが有利かを説明しました。今回は、動物病院を法人化する際の選択肢について見ていきます。

日本で設立できる会社は4種類

法人化を行う場合には、「会社」を設立することになります(「人間」の病院に関しては医療法に基づいて医療法人を設立するという選択肢もありますが、動物病院には同様の制度はありません)。

 

日本では設立できる会社として、①株式会社②合名会社③合資会社④合同会社の四つがあります。それぞれが具体的にどのようなものなのかを確認しましょう。

 

①株式会社

会社の債務について債権者に対する弁済責任を負わずに出資義務のみを負担する社員(間接有限責任社員)のみで構成され、社員の地位が「株式」という細分化された割合的単位の形をとる会社。

 

②合名会社

会社の債務に対して直接的に限度なく責任を負う社員(直接無限責任社員)のみから構成されている会社。

 

③合資会社

会社の債務に対して直接の弁済責任を負っているが、その責任が一定の範囲に限られている社員(直接有限責任社員)と直接無限責任社員の2種類によって構成されている会社。

 

④合同会社

間接有限責任社員のみで構成され、株式会社に比べて大幅な定款(会社のルールを定めたもの)自治が認められている会社。

機動的な病院経営には株式会社のほうが有利

これらの四つの会社のうち、基本的には、株式会社か合同会社のいずれかを選択することをおすすめします。いずれも、会社の債務について出資者は責任が限られている、つまり会社の借金を出資者が個人的に弁済する必要がないからです(もっとも、会社の債務を個人保証しているような場合は別です)。

 

実際、動物病院が法人化した場合、ほとんどは株式会社か合同会社のいずれかを選択しているようです。どちらを選択するのが適切なのかは、一概には決めにくいところですが、機動的な病院経営を行いたいのであれば、合同会社よりも株式会社のほうが有利です。

 

会社設立後に定款を変更する場合の手続きや持分(社員としての地位)を譲渡するために必要となる手続きが、合同会社よりも株式会社のほうが緩やかとなっているからです。

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載動物病院を繁盛させる経営の鉄則50

百瀬弘之税理士事務所 代表

1957年東京生まれ。税理士。2003年から動物病院開業コンサルタント業のahed社と提携。
経営と税務会計、両方の視点から独自のコンサルティングを行うことにより、これまでに数十軒の動物病院の経営を成功へと導いている。
趣味はギター。東京税理士会「ゆがみBAND」ベーシストとしても活動中。

著者紹介

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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