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連載近隣物件よりも高い賃料で長く儲けるマンション経営術【第1回】

不動産オーナーを取り巻く環境を再認識する

日本人口新連載

不動産オーナーを取り巻く環境を再認識する

本連載では、不動産オーナー向けに「高い賃料で長く儲ける」ための方法をお伝えします。今回は、その大前提として「不動産オーナーを取り巻く環境」を改めて考えてみましょう。

2050年の日本の人口は約9000万人に減少する

2050年には、日本の人口は現在より約30%減少すると予測されています。人口が急減し、間違いなく競争が激しくなる未来の賃貸不動産市場で勝ち残るには、築年数が経過しても賃料の下がらないマンション、つまり新しさというプレミアが消えたあとも、安心して経営できるマンションを建てなければなりません。

 

はじめに賃貸物件をとり巻く現状をご説明しましょう。2050年、日本の人口は約9000万人になると予想されています(※国立社会保障・人口問題研究所調べ)。2010年の人口が約1億2700万人ですから、今後40年間で30%程度の人間がこの国からいなくなるという計算です。

 

日本人の持ち家率は約60%といわれており、残りの人たちが賃貸物件に住んでいます。日本の人口が2006年の1億2774万人をピークに減少していることを考えると、国内の賃貸マーケットはすでに縮小に向かっているといえるのです。

 

「マネジメントの父」と呼ばれる経営学者のP・F・ドラッカーは、「一番確実な近未来予測は、人口動態の図にある」といいました。今後、間違いなくマーケットが縮小していく中で、日本の不動産賃貸業はどのような道に向かうのでしょうか? 今まさに、私たちはその対応を迫られています。

 

さて、人口が30%減少するということは、単純に考えても、お昼に100個のお弁当が売れていたお店で、70個しか売れなくなるという計算です。それなのに、日本の産業の多くは、これまで何の対策もとってきませんでした。そのひとつの例が大学です。大学は18歳人口の減少を推測していながら、適切な手が打てなかったために、定員割れを起こすところが続出しています。すでに、小樽短期大学、萩国際大学など、経営が破綻して民事再生法を申請した大学も出ています。

 

出生率(特殊)は1950年の3.65から2009年の1.37まで落ちているのですから、考えてみれば当然の話です。今後、大学のような危機を迎える産業が、日本のあちこちで見られるようになるはずです。

 

それに対する異論として、1991年の122万人から2009年の219万人に急増した登録在日外国人の存在を挙げる人がいます。しかし、彼らの増加は人口減のペースに比べると微々たるもの。もしも、将来の政府が移民政策をとった場合は、局面が変わることもあるかもしれませんが、島国である日本が移民を簡単に受け入れることは、短期的・中期的には難しいと筆者は考えています。

大家さんの苦境を政府は助けてくれない

理由はあとで詳しく述べますが、アパートやマンションは、人口減少時代の現在であっても、年々増え続けています。市場経済の自然な流れから見れば、今後、賃貸物件の需給バランスは崩れ、家賃は低下していくことが予想されるのにです。この現象は、不動産業界、あるいは不動産オーナーたちにとって、明らかにマイナスです。

 

かつて、政府は大手銀行が破綻しかけたとき、大量の公的資金を投入しました。それと同じように、今後不動産業界がピンチを迎えたとき、国は助け舟を出してくれるでしょうか? もちろん、答えは「NO」です。逆に、政治家は日本全体の家賃の低下をウェルカムな環境としてとらえるはずです。

 

政府が本当にすべきことは、国民総所得を増やし、前向きな消費が重なり、日本の技術によって新しい商品が生まれ、また消費が拡大するというプラスの循環の中で、経済が回っていく仕組みを作ることでしょう。しかし、それを実現することは簡単ではありません。現実には、日本人の平均年収は低下し、人々が住居にあてられる費用も少なくなっています。特に注目されるのが、この10年ほどで急増した派遣労働者のような低所得者層の増加です。

 

非正規社員(いわゆる「正社員」以外の労働者)として働く彼らの年収を仮に300万円とします。家賃にかけられるお金を年収の20%と仮定した場合、年間で60万円、月あたりでは5万円程度です。2010年の東京では、5万円の家賃で借りられるのは、小さなワンルームといったところでしょう。

 

しかし、家賃の低下が進めば、将来は同じ5万円で1LDKや2DKに住めるかもしれません。つまり、見方を変えれば家賃の低下は、日本人の住環境を向上させることにつながるともいえるのです。

 

人口減社会の中での前向きな消費を創造できない現政府は、この現象をプラスとして受け止めるはずです。そして、政府にとって都合のいいことは、マーケットの中で意図的に放置されます。つまり、人口減少社会の中で、大家さんたちが苦しい立場に追いやられても、助けてくれる人は誰もいないのです。

 

 

 

 

 

 

 

本連載は、2011年2月28日刊行の書籍『近隣物件より高い賃料で長く儲ける満室賃貸革命』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

鈴木 雄二

株式会社リブラン 代表取締役

1967年、東京生まれ。株式会社大京にて分譲マンション事業用地の仕入を担当。その後、1992年、株式会社リブランへ入社し、2002年、同社代表取締役に就任する。マーケットシェアを奪い合う分譲マンション業界で、同業他社とは同じ土俵で勝負しない経営スタイルを堅持。24時間、音楽漬けを可能とするマンション「ミュージション」の分譲、賃貸事業を行い、新たなマーケットの創造を行う。

著者紹介

連載近隣物件よりも高い賃料で長く儲けるマンション経営術

満室賃貸革命

満室賃貸革命

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

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