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連載中古アパート・マンションが生まれ変わる「airbnb運用」【第23回】

Airbnb活用の大きな課題となる「法的リスク」の現状

Airbnb民泊旅館業法

Airbnb活用の大きな課題となる「法的リスク」の現状

前回は、Airbnbスタート直後の適正価格と、価格最適化を図る際に便利なツールについて説明しました。今回は、Airbnb活用における現状の法的な課題について見ていきます。

民泊に「旅館業法」の許可は必要ないが・・・

今回は、Airbnbにおける現状の課題について触れておきます。Airbnbの課題として大きなものが、現行の「旅館業法」との関係です。

 

旅館業法は、日本のホテルや旅館を経営する者に対して一定のルールを定めた法律で、昭和23年に制定されました。旅館業法には、旅館業を営む上でクリアしなければならない運営上・構造上のさまざまなルールが規定されています。

 

たとえば、建物の入り口にフロント施設をつくり、そのフロントには常に受付の人がいなければなりません。また、宿泊客からは必ず住所や名前を書いてもらう必要があります。この基準を満たさない限りは旅館として経営することはできず、違反した場合は罰せられます。

 

しかし、民泊に旅館業法の許可は必要ありません。「民泊のための旅館業法の規制緩和」によってクリアになっているからです。

 

政府主導で民泊が推進されているわけですから、Airbnbをする際に、フロント設備のルールを守るために設備を工事して、フロントをつくったり、受付を常駐させたりする必要はありません。

 

ただし、それでも物件が一定の条件を満たしていないと、民泊としての許可は下りないことを覚えておいてください。現時点ではその条件が「6泊7日以上の宿泊が可能なこと」かつ「部屋の広さが20㎡以上あること」となっています。

ほとんどの地域で法整備されていないのが現状

1つ要注意なのは、民泊を推進するという国家戦略特区での策定は、それ自体が法的な強制力があるわけではないという点です。あくまで「各地域に民泊を緩和させる権利を与える」という性質のもので、法的な効力はないのです。

 

効力を持たせるためには各地域で条例化されなければならないのですが、残念ながら現時点では、ほとんどの地域では議論の段階で条例化には至っていません。

 

条例化が決まらない理由としては、まだまだ民泊という方式が新しく、判断が難しいという事情があります。また、「ホテルや旅館の利益を毀損するのではないか」という、ホテル・旅館業界からの反発の声もあるでしょう。

 

ただ、このままでは一向に条例化される気配がないため、政府からは近々、アクションがあると思われます。政府としてはなんとしても民泊を推し進めたいですから、条例化を急ぐ方向でのアクションになるでしょう。

 

実際に2015年10月には大阪府で民泊を特例的に認める条例が成立しています。全国統一で強制力のある法律を策定し、各自治体が民泊を管理するような通達を出すのではないでしょうか。そうなれば一気に民泊が普及し、一大ブームになることは間違いありません。

本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

小沢 吾亘

リスクマネジメントグループ代表
株式会社リスクマネジメント・アルファ代表取締役
株式会社エース管理取締役 

1970年8月23日愛知県蒲郡生まれ、蒲郡育ち。27歳のとき、外資系保険会社にヘッドハンティングされ転職。2002年、31歳で独立開業。その後、株式会社リスクマネジメント・アルファを設立。不動産を扱う業務が増えたため、不動産売買仲介を行う株式会社エース管理を設立する。

著者紹介

町田 龍馬

Zens株式会社 代表取締役

1987年長崎県諌早市生まれ。17歳でニュージーランドに渡り、オークランド工科大学ビジネス学部卒業後、共同購入クーポンサービスで起業、その後株式会社トーチライトを経て2011年6月に株式会社Zen Startupを共同創業し、2013年8月に北米市場向けFacebook解析ツール「ZenMetrics」を開発・マーケティングを行う。2014年、自身がAirbnbホストになったことをきっかけに8月よりAirbnb内装・運用代行サービスを開始。

著者紹介

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