今後10~20年で大きく崩れてくるマンション需給のバランス

今回は、マンションの資産価値はどのように決定されるのか、そして今後、余剰住宅の問題がどう影響するのかを見ていきます。※本連載は、須藤桂一氏の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』(保険毎日新聞社)の中から一部を抜粋し、マンション管理に様々な問題を抱える、いわゆる「ブラックマンション」の概要と、ブラック化の回避方法を見ていきます。

マンションの資産価値=中古の売買価格と覚えておく

この連載を読んでくださってる方のなかには、すでにマンションにお住まいになっているか、もしくはこれからマンションの購入を考えているという方も多いと思います。

 

マンションの購入を考える際に、大半の方はマンションを「資産」として捉えていることでしょう。マンションの資産価値はどのような点で評価されるかというと、一般には中古マンションの売買価格で評価されています。

 

たとえば、マンションの区分所有者の方が、自分のマンションの一室が売りに出たことを知った場合、何平米の物件がいくらで売れたのか、ということにとても敏感に反応します。

 

自分の家がどれくらいの価値があって、いくらで取引されているか、という点が非常に気になるわけですね。「マンションの資産価値=売買価格」といっても過言ではないでしょう。

中古マンションが供給過多になることは紛れもない事実

それでは、その売買価格はどのように決定されるのでしょうか。

 

それは、マンションの需給バランスによって決まってきます。供給よりも需要が多ければ、値段は上昇します。反対に、供給よりも需要が少なければ、価格は下落していきます。これが中古マンションのマーケットの姿です。

 

そして、余剰住宅が増えるということは、当然供給よりも需要のほうが減っていくことになるわけで、これからの10〜20年で、需給のバランスが大きく崩れてくることは目に見えています。今後、一部の限られた地域を除いて、中古マンションが供給過多になることは紛れもない事実なのです。

 

欧米では中古住宅の流通は盛んですが、残念ながら日本はそうではありません。何かを購入するという場合、ほとんどの方は新品を選びます。住宅を購入する際も同様で、たいていは新築に目が向きます。

 

そのように、「中古」より「新品」を重視するカルチャーを持つ日本では、中古マンションにおいて「大切な資産価値を落とさずに守り続けていく」ことがかなり難しい環境だということを認識する必要があるのです。

 

ただし、筆者はそう悲観的になることもないと思っています。このまま人口収縮が進んだとしても、20年後でもおそらく1億人の人口は存在していることでしょう。もちろん子どもも生まれてくるでしょうし、マンションも一定量は必ず流通するはずです。

 

そこで、どうしたらマンションの資産価値を下落させず、より向上させられるか、ということを考えていきましょう。

 

イラスト=田中マコト 

本連載は、2015年4月21日刊行の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社シーアイピー 代表取締役社長

1986年、関東学院大学工学部建築学科卒業後、神奈川県の総合建設会社へ入社。1988年、父の経営する塗装工事会社入社。1989年、マンション大規模修繕工事請負業務を開始。1992年、大規模修繕工事における「調査・診断・設計・監理」業務参入。1996年、CM(コスト・マネージメント)方式工事費削減支援サービス開始。1999年、株式会社シーアイピー設立。CM業務を始めとした、マンション管理組合のコンサルティング業務に特化するため法人設立。2000年、PM方式管理費削減支援業務を開始、現在に至る。
「ホンマでっかTV」(日本テレビ)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などのテレビ番組や雑誌メールマガジンなどで、マンションオーナーが抱える家庭経済の危機を訴え続けている。

株式会社シーアイピー:http://www.cip.co.jp/company/
運営WEBサイト「みんなの管理組合」:https://みんなの管理組合.com/

著者紹介

忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

須藤 桂一

保険毎日新聞社

金融破綻、年金破綻、そしてマンション破綻、著者はこの3つを「日本の三大破綻」と位置付けている。高すぎる管理費が修繕積立金を圧迫するなか、人口が減少していくニッポンで地方のマンションは資産価値を保ち続けることがで…

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