今回は、「宅地」の具体的な評価方法について見ていきます。※本連載は、株式会社フジ総合鑑定の代表取締役・藤宮浩氏と、税理士・髙原誠氏の共著、『日本一前向きな相続対策の本』(現代書林)の中から一部を抜粋し、不動産を相続する際に知っておくべきこと・実践するべきことをご紹介します。

調査官は重加算税をかけたがる
税務調査を録音することはできるか?
5/19(日)>>>WEBセミナー

宅地の評価方法は「一体評価」が基本

土地は、その用途によって宅地・田・畑・山林・雑種地等に分類されており、これを「地目」と言います。相続税申告における土地評価は、地目ごとに分けて評価するのが原則です。

 

自宅やアパートの敷地は「宅地」、農地は「田」や「畑」、山は「山林」、駐車場の敷地は「雑種地」ということになりますが、判断に迷いがちな例もあります。

 

例えば、自宅の家庭菜園は宅地でしょうか、それとも畑でしょうか。同様に、賃貸アパートの住人が使っているアパート専用駐車場も、宅地なのか、雑種地なのか迷いやすい一例です。

 

このような場合は、「主たる地目」により一体評価するものと、「財産評価基本通達」には示されています。「財産評価基本通達」とは、相続税を計算する際の財産評価の指針として、国税庁より公表されている通達です。

 

相続税還付、不動産法務、相続税の税務調査…
充実した講師陣によるカメハメハ俱楽部セミナー

 

先ほどの例で言えば、生産性のない(外部に作物を出荷しているのではない)家庭菜園は自宅敷地(宅地)の一部として、アパート専用の駐車場はアパート敷地(宅地)の一部として、それぞれ一体評価するのが妥当です。

「利用状況」によって宅地の相続税評価は変わる

宅地は、その利用状況等により、一体をなしていると認められる区画ごとに評価します。この区画の単位を「画地」と言います。

 

所有する宅地を自分で使用している場合には、その全体を1画地の宅地としますが、一部を人に貸していたり、貸家の敷地にしていたりする場合には、それぞれの部分を1画地の宅地として評価します。

 

すなわち、他人の権利が付着している土地については、別個の利用単位として評価を行います。したがって、貸家が複数棟あるような場合には、原則として、各棟の敷地ごとに評価します。

 

なお、土地は筆ごとに地番が付けられていますが、実際の利用上の単位である画地とは、必ずしも一致しません。

 

また、複数の相続人が、ひとつの画地を筆ごとに分割して相続することがありますが、この場合は取得した部分ごとに評価するのが原則です。ただし、道路に面しない土地になってしまうなど、その分割が著しく不合理である(不合理分割)と認められるときには、分割前の画地を1画地の宅地として評価します。

 

このように、評価単位ひとつとっても、土地の状況をよく調査して判断しなければなりません。そのため、財産評価には経験とノウハウが不可欠です。

 

[図表]土地の状況によって相続税評価は変わる

 

日本一前向きな相続対策の本

日本一前向きな相続対策の本

藤宮 浩・髙原 誠

現代書林

喜寿・米寿を迎える世代のみなさま、すなわち70代や80代で、まだまだこれから人生を楽しむ皆様には不動産などの財産をお持ちであれば、早めの相続対策をおすすめします。 相続対策には様々な方法がありますが、それぞれに効果…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録