今回は、不動産の「共有持分」の概要と、相続においてどのような問題があるのかを見ていきます。※本連載は、株式会社フジ総合鑑定の代表取締役・藤宮浩氏と、税理士・髙原誠氏の共著、『日本一前向きな相続対策の本』(現代書林)の中から一部を抜粋し、不動産を相続する際に知っておくべきこと・実践するべきことをご紹介します。

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「親子間の共有」であれば節税の面で有効だが・・・

ひとつの不動産を、複数の人が「共有持分」という形で所有していることがあります。特に多いのが、親が亡くなったとき、兄弟姉妹で共有する形で遺産分割したことにより生じた共有状態です。

 

親子間の共有であれば、相続により最終的に子どもの完全所有とすることができるため問題が少なく、節税面から見て有効な場合もあります。

 

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しかし、兄弟姉妹や第三者との間での共有は、利用や処分が制限される、いわゆる「共憂」問題が起こる可能性が高いため、できるだけ避けるのが賢明です。また将来、相続が繰り返された結果、疎遠な人との共有状態となり、さらに問題が複雑になるおそれもあります。

 

ただし、近い将来に売却を予定している場合は問題ありません。売却金額を持分に応じて分配すればよく、特に居住用不動産を売却するときは、「居住用不動産の3000万円特別控除」を居住していた共有者ごとに適用できる等のメリットもあります。

共有物には「4つの問題点」がある

今回は、共有物の抱える主な問題点を紹介します。

 

①不動産の利用が制限される

 

共有している不動産の管理に関する行為(第三者への賃貸等)は、持分の過半数で決定されます。また、共有物の変更(売却や大規模修繕等)をするには、共有者全員の同意が必要です。

 

これらのことから、共有者間で意見が相違すると、不動産の有効な利用ができなくなることが考えられます。

 

②収益、費用の分担が難しい

 

収益不動産において、維持管理や税金(固定資産税・都市計画税)の納付等を共有者のひとりが行っている場合、収益・費用の分配面で問題になることがあります。これは、維持管理等に関わる労力が他の共有者に伝わりにくいためです。

 

③担保価値が低い(担保にできない)

 

住宅の新築等で借入れが必要になったとき、共有不動産に抵当権を設定する場合がありますが、一般に単独所有に比べて担保価値が低くなり、場合によっては担保にできないこともあります。

 

④将来共有者が増え、管理・処分が困難になる

 

共有状態のまま各共有者に相続が発生すると、さらに共有者の数が増え、顔を合わせたこともない人と不動産を共有しているという状況になることも考えられます。共有者の行方がわからない、あるいは連絡が取れないなど、管理・処分がますます困難になることが予想されます。

 

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次回は、共有状態を解消するための代表的な方法を紹介します。

 

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