前回は、1つの物件に流動性と利回りの両方を追い求めることが難しい理由を説明しました。今回は、不動産投資で3億~10億円の大型物件が狙い目な理由について見ていきます。

機関投資家が持ち込んでくる売り物件は3億〜10億円

最近はやや落ち着きましたが、2008年あたりの一時期、ファンド(機関投資家)の方が当社にいろいろな売却物件情報を持ってきていました。それらの物件の価格帯は3億~10億円のものがほとんどでした。

 

ファンドが物件を取得する際は、デューデリジェンスという物件調査が必要となります。他人のお金を集めて運用していますので、取得する物件に関するきちんとした調査と情報開示が必要になるのです。つまり、物件取得の調査のための費用がかかります。その費用を吸収できる物件となると、大型にならざるを得ないという事情があります。

エアーポケットになっている「狙い目」の価格帯

一方で、この価格帯の物件は、個人投資家が買うには大きすぎるのです。もちろん、個人でも10億円の物件を取得する方はいらっしゃいますが、その価格帯の物件を取得できる方はきわめて少数といってもよいでしょう。

 

また、サブプライムローン問題以降の金融危機において、3~10億円の価格帯の物件に投資する機関投資家(ほとんどが新興不動産会社系ファンド)がマーケットから退場してしまいました。現在、活発に動いている機関投資家は、財閥系、電鉄系をはじめとする大手不動産会社がほとんどです。

 

そのため、この3億~10億円という価格帯の物件は、現在活動している機関投資家が買うには小さく、個人投資家が買うには大きすぎるという、まさに「エアーポケット」になっている狙い目のゾーンなのです。

 

逆に1億~2億円の物件は、個人投資家の手の届く範囲であり、今まで以上に買う方が増えています。融資は厳しくなっているものの、価格は大きく下がりません。2008年の初頭頃には、この価格帯の物件がかなり値下がりするのではないかと予想していましたが、それほど大きな価格下落はない状況です。

 

属性的に3億円以上の価格帯でも購入できる方は、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。現在の市況であれば、非常にいい利回りで物件を取得できる可能性があります。

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