前回は、収益用不動産の利回りを決める3つの要素について説明しました。今回は、1つの物件で流動性と利回りの両方を追い求めることが難しい理由を見ていきます。

人気物件は流動性が高いが利回りは低くなる

金融資産に比べ、不動産は流動性が低いです。今回は不動産のなかでも、収益用不動産における流動性の比較をしたいと思います。

 

流動性とは、「売りたいと思ったときに、どのくらい早く売れて換金できるか」ということです。もちろん価格は、適正であることが前提となります。不動産を所有する場合、万が一のことを考えれば、売れないよりは売れるほうが良いに決まっているので、当然、流動性の高い物件が望ましいことになります。

 

では、流動性の高い物件とはどのような物件でしょうか。

 

簡単にいえば、みんなが買いたくなるような物件であり、具体的には、人気の場所に立地する物件です。東京都心部の物件は人気が高いために流動性が高く、適正な値段であればすぐに売れます。その逆で、地方に行けば行くほど流動性が落ちるというわけです。

 

みんなが買いたいと思う物件は、当然、家賃水準と比較して、価格(土地の値段)が高くなりますから、利回りが低くなります。つまり、流動性と利回りは、反比例の関係にあるのです。

流動性と利回りは「反比例」の関係

ここはなかなか難しい問題であり、両方を追い求めることはできません。ポイントは、流動性と利回りとの関係は反比例しているという前提をきちんと理解したうえで、資産形成のポートフォリオに組み込んでいく必要があるということです。

 

流動性の高い物件だけでは利回りが低く、キャッシュフローがマイナスになってしまいます。また、利回りの高い物件だけでは流動性が低く、万が一のときの換金において不安が残ります。1つの物件で両方を得ることはできませんから、バランスよく所有しておくということが重要になります。

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