前回は、不動産購入を決断する際の判断基準について説明しました。今回は、医師が資産を10億円築くための具体的なプランを見ていきます。

リスクヘッジとして一棟買いをする

今回は、資産10億円を築くための具体的な実現プランを3つご紹介します。どれも実際に筆者が提案して成功したプランです。

 

最短で10億円を築く2年プラン

医師が最短で資産10億円を実現するために購入すべき収益物件は、区分所有の新築マンション2戸と中古マンション1棟です。費用としては新築マンションが1戸当たり2500万円前後、中古マンションが一棟当たり2億円前後で合計2億5000万円から3億円といったところでしょう。

 

スタートから複数所有はリスクが高過ぎる、と思われるかもしれません。筆者も普通のサラリーマンであれば絶対にこのような提案はしませんし、そもそもローンの審査が通りません。しかし、医師であればローン審査が通る可能性は非常に高く、年収1500万円なら20倍となる3億円程度まで融資してくれる金融機関が複数あります。

 

不動産運用の最大の武器はレバレッジ効果です。少ない元手でどれだけ大きな運用ができるか、ここに成功の鍵があります。しかも一棟を所有していれば、たとえ2割程度の空室が出ても赤字になることはありません。むしろ、リスクヘッジとして一棟買いは必要とも言えるのです。

 

新築マンション2戸と中古マンション一棟を所有していれば、毎月の家賃収入250万円前後、年間で3000万円程度が見込めます。この状態で1年ほど不動産運用に慣れていただきます。そして、この間に何も問題がなければ、金融機関は勤務医としての年収が1500万円あるので合計4500万円を年収と見なします。つまり融資可能額は4500万円の20倍、9億円になります。

 

これを元手に9億円の物件を購入すれば、わずか1年程度で最初の物件の合計金額3億円と合わせて総額12億円の資産を保有できるのです。

 

とはいえ、これはいくら何でも強引な話。家賃収入250万円といっても、実際はローンの返済や固定資産税などで150万円程度が引かれ、手元に残るのは100万円前後になります。もちろん、医者という肩書きなら9億円の融資は不可能ではありませんが、満額借りてしまうと返済で生活が苦しくなるでしょう。つまり現実的ではありません。

 

ここは手元に残った毎月100万円を1年間しっかり貯蓄しておき、合計1200万円を次の物件の頭金に回すというほうが確実です。そして手堅くもともとの年収1500万円と、年間3000万円の家賃収入の3分の2にあたる2000万円を合わせた3500万円を実質的な年収と見なし、次の物件購入のために融資を申し込むのです。その際の金額は3500万円の20倍、7億円とします。この金額なら今までの生活レベルを維持したまま無理なく借入と返済ができるでしょう。

 

最初の物件を購入して1年後に次の物件を買う準備をはじめれば、トータル2年以内に資産10億円(最初の物件の合計金額3億円+7億円)が実現できるはずです。

 

しかもその後は家賃収入の実質的な収益が毎月300万円程度あるので、年収が3600万円アップします。勤務医を続けていれば合計で年間5000万円以上の現金収入があることになるのです。この本を読み終わってわずか2年後には、資産10億円と年収5000万円―ぜひ想像してみてください。

 

不動産取得税を経費にして節税効果を長期間得る

節税効果を実感しながら慣れていく3、4年プラン

筆者は、先ほどの2年プランで何度もドクターの資産10億円達成をお手伝いしています。しかしながら、実際に不動産運用をはじめてから1年後に「7億円の物件を買いましょう」と提案をすると、やはり「もう少し慣れてからにしたい」と躊躇される方が多いのも事実です。

 

その場合、まずは節税効果を実感しながら不動産運用に慣れるという意味で、3年から4年かけて資産10億円を実現するプランを描きます。具体的には最初に3億円、1年後に5億円、2年後に7億円、3年後に10億円と、2年プランよりも段階を踏んで資産を増やしていくのです。

 

このプランのメリットは不動産運用に徐々に慣れていくことと、不動産取得税を経費として複数回計上することで長期間にわたって節税効果を得られることです。

 

不動産取得税とは、文字通り不動産を取得したときに都道府県が課税する地方税です。取得後半年から1年後に届く納税通知書で金融機関に納税します。納税額の基準となる固定資産税評価額は実売価格の約7割に設定され、これに税率をかけて納税額を算出します。

 

例として3億円の中古マンションを購入した場合の節税効果をシミュレーションしてみましょう。実売価格が3億円なので固定資産税評価額は2億1000万円になります。内訳として建物を1億円、土地を1億1000万円とします。

 

建物の不動産取得税:1億円×3%=300万円

土地の不動産取得税:1億1000万円×1/2×3%=165万円

合計:465万円

 

所得税と住民税の合計税率を45%とすると、実に209万円(465万円×45%)の節税効果があるのです。これを4年続ければ836万円です。

 

前章で運用初年度は赤字になりがちと書きましたが、原因としてこの不動産取得税の存在が大きいのです。しかし、節税効果は絶大。「2年間で一気に資産10億円を狙うのも良し、4年間節税効果を味わってから到達するのも良し」といったところでしょう。

 

3つ目のプランは次回に続きます。

 

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本連載は、2016年4月27日刊行の書籍『資産家ドクター、貧困ドクター』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

資産家ドクター、貧困ドクター

資産家ドクター、貧困ドクター

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

いまや「医師=超富裕層」とは限らない時代。自分の資産は自分で守り、増やすことが当たり前になってきました。しかし、多忙な医師にはそんな時間を作ることさえ難しいのが実状です。 そこで本書は「手間をかけずに確実に儲か…

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