スリランカの「スタートアップ」を育てる投資家の役割

スタートアップ(ベンチャー)企業の中でも、非上場で企業評価額が10億ドルを越えるものを「ユニコーン」と呼びます。世界中の企業家たちがユニコーンを目指して奮闘し、投資家たちはいち早くユニコーンを捕まえようと躍起になっています。スリランカを舞台に闘うスタートアップの姿をお伝えしている連載の4回目です。

低い目標設定で、結果を大きく見せる

スタートアップ時の創業時の苦労をMelvani氏も語ってくれた。彼は初期メンバーには無給で働いてもらいながら事業を拡大させ、通販サイトMyDeal.lkをオープンさせた。ここ4年半は毎年、文句なしの高い成長を見せて、利益を生み続けてきた。「投資家から資金を集め、それを消費します。その後、再び投資家に対して前と同じ計画を持ちだしたところで、投資家たちがお金を出すことはないでしょう」と彼は言う。

 

見栄えのよい決算書か堅い目標を掲げない限り、更なる投資は見込めない。そしてMelvani氏は事業に大金をつぎ込むことには断固として反対だという。高い目標に到達するためにコストを増大させることは、彼には考えられないことなのだ。

 

不可能な目標を立て、投資家からの資金を食いつぶす代わりに「他の手段を選択する」と彼は言う。「投資家には目標を低く伝え、実際にはそれ以上の結果を出すべきでしょう。30%分達成すると伝え、実際には60%分の結果を出せば、投資家は喜びます。目標以上の結果を出し、進化し続けるのです」

投資家は出資だけでなく、契約も取ってくるべき

スリランカの投資家たちはスタートアップの失敗を受け入れる心構えがまだ整っていなく、この状況は良いものではないとMelvani氏は言う。これは他のスタートアップ創業者たちも口を揃えることだ。

 

「投資家は契約を取ってくるべきです」とMelvani氏は話す。「要はネットワーク作りです。投資家はハイリターンを期待するだけでなく、事業の一角を担い、その事業が育つのを手助けするべきでしょう」。スタートアップが、経験年数も投資額もふんだんにある投資家たちから求めるのは資金以上にメンタリングだ。「資金が必要なのであれば、銀行に行けば良いだけですから」

 

顧客生涯価値(ライフ・タイム・バリュー/LTV)を向上させるためのセールス・ツールを提供するUnified VU社のCEOであるRanaweera氏は、ユニコーン企業を目指すには「適切な人脈を持つ必要がある」という意見に賛同している。しかし同時に、果たしてユニコーンの条件である評価額が10億ドルを越えるスタートアップがスリランカで育つのだろうか、という疑問をもっている。
 


最終回は、スタートアップにとってのスリランカの環境についてお伝えします。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年5月に掲載した記事「SEVEN TRUTHS FROM STARTUP FOUNDERS」を、翻訳・編集したものです。

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連載スタートアップの「ユニコーン」はスリランカで育つのか?

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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