未発達なスリランカの市場に可能性を見出すスマホ・アプリ

創業が2009年と、まだ歴史が浅いにもかかわらず、企業価値がゼネラル・モーターズを超えたと言われるほどに急成長しているタクシー配車アプリ「Uber(ウーバー)」。一つのスマートフォン・アプリが、わずかな間にタクシー業界の仕組みを大きく変えてしまいました。タクシーと異なる分野で次世代版「○○版Uber」を狙う、スリランカのスタートアップ企業についてお伝えしている連載の後編です。

タクシーはオンデマンド型サービスに最適な分野

Uberはタクシー業界を創り上げたのではなく、単に乗客とドライバー双方のユーザー・エクスペリエンスを向上させただけである。LyftやPickMe等の他のタクシー配車アプリが成功したことを考えると、タクシー業界はこのビジネスモデルに適しているようだ。今からタクシー分野へ入り込もうとしても余地は限られてしまっているが、スリランカ発のPickMeが成功したことは、他のオンデマンド型スタートアップ企業に影響を与え、「○○版Uber」の成功を目指す動きを促進させるだろう。

 

成功の決め手は何だろうか。自社のオンデマンド型サービスをできるだけ高級な市場に売ろうとするスタートアップ企業は失敗する傾向がある。オンデマンド型サービスの主なターゲットは、時間はないがお金のあるスリランカ人としているが、彼らは自分たちでメイドを雇う方が簡単なため、雑用やハウスクリーニングのサービスを提供するオンデマンド型サービスは必要とされないだろう。

日常的に利用が見込まれるサービス・品物が狙い目

スリランカのサプライチェーンは、生鮮食品を筆頭に効率の悪さで有名だ。ここに可能性があるのではないだろうか。つまり中間業者を排除し、販売者と消費者を直接結び付けるサービスが人気になる可能性は高い。実際、新鮮な野菜や果物を要望に応じて配達するサービスはインドで人気がある。

 

ただ注意したいのは、インドではスリランカの都市に比べるとスーパーマーケットが圧倒的に少なく、またスーパーでの買い物にも値段交渉があるため不便が多い。スリランカの都市の消費者は、スーパーで買い物をする際に、そのような不快な経験をすることはあまりない。

 

成功しているオンデマンド型ビジネスは、奇抜な領域にはないことも考慮すべきである。顧客獲得にかけるコストを最大限に回収するためには、日常的に繰り返し購入してもらえるサービスや品物を対象にする必要がある。十分に大きな消費者層にアピールできる最適な領域を選択することが、Uber型のアプリで成功を夢見るスリランカのスタートアップ企業が考えなくてはならない、最も大きな課題だろう。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年5月に掲載した記事「UBER FOR X」を、翻訳・編集したものです。

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

著者紹介

連載スリランカで次の「Uber(ウーバー)」を狙うスタートアップ

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