動物病院の院長が押さえておくべき「決算書」の基本知識

前回は、消費税の納税義務が免除される特例と、新規開業時にあえて「課税事業者」を選択する理由について説明しました。今回は、動物病院の会計で重要となる「貸借対照表」と「損益計算書」について見ていきます。

決算に不可欠な「貸借対照表」と「損益計算書」

動物病院の院長は経営者である以上、会計をみなければなりません。そのときに不可欠となるのが決算書に関する知識です。

 

決算書は、一定時期の財務状況を把握するために作成される資料です。株式会社の作成する決算書については、会社法によって規定されており「計算書類等」という名称で呼ばれています。

 

「計算書類等」としては貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、事業報告、附属明細書などが挙げられますが、動物病院における決算を考える場合に重要となるのは「貸借対照表」と「損益計算書」です。

 

まず、「貸借対照表」とは一定の時期における会社の財産状況を明らかにするものです。バランスシート(Balance sheet、B/S)とも呼ばれます。

 

一方、「損益計算書」(Profit and Loss Statement)とは一定の事業年度に発生した利益と損失を記載し、その年度の営業成績を示すものです。P/Lと略称されることもあります。それぞれの具体的な見方や理解すべき基本的なポイントは以下の図表通りです。

 

①貸借対照表

左側(借方)の「資産の部」には資金がどのように運用されているのか、右側(貸方)の「負債の部」と「純資産の部」ではその資金をどのように取得したのかが示されます。

 

「資産」は、現金や商品など会社がもっている財産や、会社が利益を得るために利用できる権利などです。「負債」は利益を得るために金融機関等から借り入れたお金です。「純資産」は「資産」から「負債」を引いた額です。

 

②損益計算書

左側(借方)には「費用」が、右側(貸方)には「収益」が計上されます。「費用」は売り上げを得るために必要となったお金です。「収益」は売り上げです。「収益」から「費用」を引いた差額が「利益」になります。

 

【図表 貸借対照表と損益計算書】

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載動物病院を繁盛させる経営の鉄則50

百瀬弘之税理士事務所 代表

1957年東京生まれ。税理士。2003年から動物病院開業コンサルタント業のahed社と提携。
経営と税務会計、両方の視点から独自のコンサルティングを行うことにより、これまでに数十軒の動物病院の経営を成功へと導いている。
趣味はギター。東京税理士会「ゆがみBAND」ベーシストとしても活動中。

著者紹介

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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