誰も住まない親の家――まずは「売却」を検討すべき理由

今回は、誰も住まない親の家はまず「売却」の方向で考えるべき理由を見ていきます。※本連載は、「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける株式会社風の代表取締役、大久保恭子氏の著書、『どうする?親の家の空き家問題』(主婦の友社)の中から一部を抜粋し、空き家になった親の家への対処法を紹介します。

売ってしまえば手間も管理コストも不要

親の家に住む予定が将来にわたってない、というのであれば、できるだけ「早く売る」ことをおすすめします。不動産ビジネスに詳しくない素人にとって一番スムーズに次の住み手にバトンタッチできる有効活用の方法だと考えるからです。「売る」を選択したほうがいい、という理由は次のとおりです。

 

1.素人にとって一番シンプルな方法

 

「売る」は不動産会社に売却依頼をすれば、あとは契約・引き渡しの手続き以外は特に何もする必要はありません。売却益が出れば、申告をして税金を一度納めて終了です。

 

2.売ってしまえば手間も管理コストもかからない

 

売らずに持っていれば、固定資産税、都市計画税、光熱費、維持管理費がかかり続けます。持っていればおよそ年間50万円かかるところが、売れば0円です。

この先も不動産価格の上昇は考えにくいだけに…

3.早ければ早いほどいい

 

住まない家はどんどん傷み、傷めば傷むほど買い手は敬遠しますし、売り出し価格も下げざるをえません。築25年超の家は1日でも早く売りに出すことです。空き家率はすでに13%を超えていて日本中至るところで家余りです。

 

この先もさらに人口減少が続くので、もっともっと家は余っていきます。よく、もう少し景気がよくなれば不動産は値上がりするから、と売ることを先延ばしにする方もいらっしゃるようですが、住宅価格の推移を見ても、この先値上がりするところは、よほどの好立地以外はない、と考えたほうがいいでしょう。

 

4.「とりあえず貸す」は回り道なだけ

 

すぐに売る気にはなれないし、世間体も悪いから、とりあえずは「貸す」を選択しようと考える方も少なくはありません。当初は借り手がついた親の家ですが、数年後に退去者が出たあと、次の借り手がつかないことも。

 

そこで魅力的に見せるために設備の交換などの費用をかけるか、家賃を下げるかの選択を迫られることになります。あるいは、収支が悪化したところで「売る」へ方針転換をしようと考えます。でもこの時点では家の老朽化も進み、買い手も減っているのです。

本連載は、2015年8月31日刊行の書籍『どうする? 親の家の空き家問題』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

株式会社風 代表取締役

「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける株式会社風の代表取締役。
1979年、リクルート入社。週間住宅情報編集長、執行役員等を務める。日立キャピタル業務役員、日本住宅ローン取締役を経て、2005年、株式会社風の代表取締役就任。一般財団法人住まいづくりナビセンター理事を兼務。その他、国土交通省社会資本整備審議会建築分科会委員、東京都住宅政策審議会委員などの公職を歴任。
主な著書に、『マンション選びは「立地」がすべて』(河出書房新社)、『お片付けは「家ロジ」で。』(講談社)などがある。

著者紹介

連載賃貸?売却?空き家になった「親の家」の活用術

どうする? 親の家の空き家問題

どうする? 親の家の空き家問題

大久保 恭子

主婦の友社

空き家対策特別措置法施行により、親の家を空き家で放置することがますます大きな問題に! 今や親が残してくれた空き家は国民的問題。空き家の数は過去最高の820万戸。環境悪化や倒壊など、空き家の長期放置がもたらす外部不経…

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