前回までは、「骨董品収集」が趣味の社長に突然、相続問題が発生したらどうするかを説明しました。今回からは、「女装趣味」がある社長の相続対策について見ていきます。

家族に「内緒の趣味」がある一宮幸夫社長

一宮重機を経営する一宮幸夫社長には女装趣味があった。ホモセクシュアルではなく、化粧をしてかつらをかぶり女性用の下着などの衣類を身につけるのが好きなのだ。

 

もともと細身な上、化粧も上手なので、かなり観察力の鋭い人に出会わない限り男性だと見破られることはない。女装して夜の町を歩くと、スリルとワクワク感に仕事のストレスを忘れることができた。

 

ただ、家族には絶対に知られたくない。誰に迷惑をかけるわけでもない趣味だが、妻や子供たちが理解してくれるとは思えなかった。

 

ばれる危険性を考えると、家に化粧品やかつら、女性用の衣類などを置くわけにはいかない。そこで家族には内緒で中古のマンションを購入し、女装用のアイテム一式をそこに保管していた。

もし急死したら「秘密の存在」が明るみに出てしまう!

そんな一宮社長も還暦を迎え、相続のことを意識するようになってきた。先日、同世代の社長が交通事故で急死したこともあり、「もしかしたら自分も・・・」と考えるようになったのだ。

 

幸い会社経営は順調で、次期社長にと考えている次男の成長も著しい。会社を任せることに不安はないが、唯一気がかりなのは女装趣味のアイテム一式とそれを置いているマンションのことだ。

 

もし交通事故や心臓疾患などで急死したら、相続の際には存在が明るみに出てしまう。愛人を囲っていたと思われるのならまだしも、置いてある服や靴のサイズなどを見れば、勘のいい妻は密かな趣味に気づくかもしれない。心配し始めると一宮社長はいてもたってもいられなくなってきた。

 

次回は、対応策を紹介する。

本連載は、2015年10月27日刊行の書籍『妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

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