情報技術と金融を融合したFinTech(フィンテック)によって、資金を持つ人と資金を必要とする企業が直接結びつき、自らの資金の使い方を主体的に選択できるようになる「金融の民主化」が注目されています。この一形態である株式型クラウドファンディングを構築するうえで、法整備が不可欠だとされるスリランカの現状をお伝えします。

決済手段の適格性がひとつの問題に…

スリランカでの株式型クラウドファンディングのプラットフォームとなることを目指すCrowdisland。そこでの決済は、クレジットカード決済サービスのPaypalが担うのが理想的だと考えられた。しかし、中央銀行は事業間の取引における支払の簡易化サービスを認めていない。そのため、一般的であるクレジット/デビットカードで支払えるような仕組みを取ることにしたが、それはそれで別の法令に触れてしまう手段であった。

 

クレジットカードは物品あるいはサービスを購入するためにしか使えず、有価証券は対象外とされる。その理由は投資家が負債を抱えてしまうリスクがあるためだ。CrowdislandのCEOであるRamanayake氏によれば、Crowdislandのアイデアはまだ膨らませられるが、複数の関係者が一丸となり、決済の仕組みをどう実現させるかを模索する必要があるとのことだ。

法改正が追い付いていない現状

支払手段についての交渉が進み、投資家たちが望むままにアカウントを作成し決済できるようになったとしても、CrowdislandはRamanayake氏が言うところの「純粋たるクラウド」に到達するにはまだまだ道が長い。証券取引法31I項があるため、広く投資家を集める行為は禁じられている。更に、会社法のもとでは、民間企業の株主は最大50人に限定される。

 

言い方を変えれば、スリランカにおいてクラウドファンディングは実質違法であり前途多難なのだ。ある政府高官は、2016年2月にCrowdislandが誕生したことを受けて、スリランカの市場改善に向けての法改正をすることに前向きだと主張している。しかし、急速に成長するスタートアップ企業に比べて、立法機関の動きは実に遅い。そしてスタートアップ企業のエコシステムが不安定なことを考えれば、投資家たちを守るために、今以上に効率的なシステムを改正案には盛り込む必要があるだろう。

 

たとえば米国シリコンバレーのスタートアップ企業は、スリランカよりも事業を行いやすい法的枠組みの中にいる。それでも、JOBS Act (Jumpstart Our Business Startups Act)により、米国証券取引委員会は個人が投資できる額に制限が設けて投資家保護を打ち出している。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年4月に掲載した記事「THIS IS WHY CROWDISLAND CAN’T CROWDFUND」を、翻訳・編集したものです。

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