特集2016.5会社の高値売却

相続・事業承継 M&A 事業再生
連載「企業の高値売却」を実現するための心得10ヵ条【最終回】

M&Aの「基本合意契約」はどのタイミングで行うべきか?

基本合意契約デューデリジェンス

M&Aの「基本合意契約」はどのタイミングで行うべきか?

前回は、売り手企業の社長の「手取り額」を最大化する例を紹介しました。今回は、M&Aにおける「基本合意契約」の概要を見ていきます。

「基本合意契約」は会社の売却価格が決定してから結ぶ

売り手企業と買い手企業の間で売却価格やスキームなどが合意されたら、締めくくりとして、双方で「基本合意契約」を締結します。

 

一般的に基本合意契約の内容は「価格」「スキーム」「基本合意後のスケジュール」「デューデリジェンスの協力」、その他「デューデリジェンスで問題が発見された場合の価格調整条項」「最終契約に盛り込む内容」などです。

 

厳密にいえば、基本合意契約には法的拘束力はありません。しかし、よほどのことがない限りM&Aの最終契約に至ることを前提に取り交わす契約だということは覚えておいてください。

 

そのため、会社の売却価格が決定したら必ず基本合意契約書に価格を明示しておくべきです。

基本合意書には調整要因に関する条件も明記する

次のステージでは、M&Aの大きな山場となるデューデリジェンスが控えています。売り手企業は、ここですべてを最終調査され、ほとんどすべての会社情報を開示することになります。

 

社長が問題点をすべて開示していたつもりでもデューデリジェンスでは必ずといっていいほど何かしらの問題点が見つかるものです。このような場合は内容にもよりますが、価格の下げを買い手からは要求されます。

 

そこで基本合意書には価格を明示するとともに、もしデューデリジェンスで価格の調整要因が発見された場合の取り扱いについて、たとえば「1000万円以下の場合は価格調整を行わない」などの内容を盛り込みます。

 

M&Aにおいては、一つひとつのプロセスの順番は重要です。売却金額が合意されたら、基本合意契約にその金額を明記したうえでデューデリジェンスに臨むべきです。

 

デューデリジェンス後に前述の価格調整の場合を除いて、一からの価格交渉をするのは厳禁です。

本連載は、2016年3月10日刊行の書籍『会社売却の心得28カ条』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

大塚 武樹

企業活性パートナーズ株式会社 代表取締役社長

昭和30年12月生まれ。東京大学工学部卒業。スタンフォード大学客員フェロー。昭和53年4月、山一證券株式会社入社後、株式会社レコフ主席執行役員などを経て、平成24年6月、企業活性パートナーズ株式会社代表取締役社長就任(現任)。通産省「店頭市場研究会」「MBO研究会」「企業価値研究会」各委員歴任。M&Aのディール責任者として100件以上の案件成約に関与。電機業界、ソフト・情報産業、流通、住宅、金融、外食、エネルギー、機械等、幅広い業界のM&Aを経験している。

著者紹介

連載「企業の高値売却」を実現するための心得10ヵ条

会社売却の心得28カ条

会社売却の心得28カ条

大塚 武樹

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