前回は、任売物件を相場よりも高値で売却するコツについて説明しました。今回は、投資用不動産の「表面利回り」を変えることができるリフォームのタイミングについて見ていきます。

どんな収益を狙うかで変わるリフォームのタイミング

リフォームをするなら転売のタイミングに合わせるのが賢い、といったことを前回で指摘しましたが、あらかじめ入居者がいる場合などは、リフォームのタイミングが難しいところです。入居者がいる間はリフォームできませんし、逆にはじめから賃借人がいない場合は、どの程度のリフォームをして賃借人を募集すればいいのか、あるいは思い切ったリフォームをして、即座に転売してしまう方法もあるわけです。

 

このあたりの判断は非常に難しいところですが、少なくとも購入前にインカムゲインでいくのか、キャピタルゲインでいくのかを決めて、そのうえでリフォームの大体のタイミングを決めておく必要があります。

 

というのも、賃借人が継続して入居している間はリフォームができませんから、賃借人が出ていくまで待たなければならないわけです。ところが、収益不動産の投資には「譲渡所得税」「減価償却」「ローンの返済期間」という転売のタイミングに関わる三つの要素を考慮に入れる必要があります。

 

そういう意味では、リフォームを実施してキャピタルゲインを目指すのであれば、最初から賃借人のいない物件を探したほうがいいのかもしれません。あるいは、賃借人が出ていくのをじっと待ち続けられるだけの余裕のある「キャッシュフロー」を確保しておく必要があります。

 

そのうえで、リフォームをする場合には、何をどんな形でリフォームするのかを前もって準備しておくといいでしょう。そのためには、事前にリフォームをしてくれるリノベーション業者をあらかじめ探しておくといいかもしれません。

費用は格安だが、効果的なリフォームも存在

リノベーション業者にはかなりばらつきがあり、信頼できる業者を不動産会社などから、あらかじめ紹介してもらっておくのもいいでしょう。こうしたリノベーションのことなども考えると、最初の物件に関しては自宅の近くなど、自分に土地勘があって、たまには見に行けるような距離にある物件のほうがいいのかもしれません。

 

ちなみに、リフォームにも格安で、効果的なリフォームというのがあります。たとえば「壁紙を一新させる」だけで、室内の様子は大きく変貌します。リフォームは、投資用不動産の「表面利回り」を購入後に変えることができる、数少ないチャンスです。そのためには、優れたリフォーム会社を探すことなども重要になってきます。

 

リフォームの具体的な方法やリフォーム会社の探し方などについては、本連載でこれから紹介していきますが、投資用不動産にとってリフォームは戦略上の大きなポイントになると思ってください。

本連載は、2014年10月10日刊行の書籍『任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

安田 裕次

幻冬舎メディアコンサルティング

サラリーマンが副収入を得る方法として注目を集める不動産投資。しかし不動産は決して安いわけではありません。 初期費用がかかるほどリスクは高くなるため、不動産投資の基本はできるだけ安価で条件の良い物件を探し出すこと…

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