広大地評価を適用できないケースにおける相続税の節税事例

今回は、「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減の特例」を活用した相続税の節税方法について見ていきます。

広大地評価を適用できない狭い土地を多く持つ斎藤さん

斉藤さんの父親は、祖父から引き継いだ農地を所有してきましたが、宅地化が進み、土地を活かして賃貸マンションを建てるようになりました。

 

10年ほどの間に、毎年のように賃貸住宅を建て、10棟200世帯の賃貸住宅を所有、年間1億円以上の家賃収入を得るようになりました。賃貸管理法人も設立して長男の斉藤さんが賃貸管理を行っています。

 

事業には建築費の借入も必要となり、父親が亡くなったときには12億円もの借入金があり、それが確実な節税となっています。多くの農地を所有していた父親にとって、相続税の節税対策は不可欠な課題だったのです。

 

相続に備えて納税用の現金を残したいため、賃貸管理法人を設立してきましたので、父親自身の預金は多くありません。

 

また、土地は多いのですが面積は小さく、広大地の適用もできないと思われます。そこで、専門家に依頼して他の方法で節税したいと考えました。

 

「配偶者の特例」を最大に活かして二次相続対策をする

賃貸アパートが建っている土地は、駐車場、アパート、私道、畑の4つの利用に分けて評価をします。奥に位置する畑と私道は不整形地になり、評価が下がります。私道は通り抜けはできず、アパートと畑のためのもので路線価の30%の評価です。

 

駐車場にしている土地には地役権が設定されており、上空を高圧線が通っていることがわかりました。建築はできますが、高さ制限があるため、そのリスクを減額できました。

 

さらに「小規模宅地等の特例」を適用することと「配偶者の税額軽減の特例」を利用することで、納税を減らしました。母親の相続まではまだ時間があると考え、次は資産の組み替えにより、競合を避けながら維持しやすい財産にすることを提案しています。

 

本連載は、2014年12月17日刊行の書籍『図解でわかる相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル改訂版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載相続発生後でも間に合う節税策~納税のとき編

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル改訂版

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル改訂版

曽根 恵子

幻冬舎メディアコンサルティング

相続が発生してからでも、数千万円~数億円単位で節税を実現する相続税対策を中心に、前作同様毎項目ごとに入った図解で視覚的に相続税の節税方法が理解できることはもちろん、相談件数1万件以上の著者だから書ける豊富な実例…

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