不動産会社が「住民同士のコミュニティ作り」を嫌う理由

前回は、マンションの音問題を軽減する方法を紹介しました。今回は、不動産会社が「マンション住民同士のコミュニティ作り」に関与したがらない理由を見ていきます。

不動産会社はコミュニティ作りに関与すべきだが・・・

これまでの連載で述べてきたように、マンション内のコミュニティは防犯や音、いずれの問題にも役に立つ存在ですから、購入者の暮らしを考えれば、デベロッパーはコミュニティ作りに多少なりとも寄与する必要があるように思います。

 

マンションはある日、知らない人同士が隣に住むようになるものです。住まいを提供した責任は、ただ建物を作っただけでは終わらない。筆者はそう考えます。

人間関係を育むには、人間が媒介する必要がある

しかし、不思議なことにデベロッパーの多くは、住民同士のコミュニティ作りに直接は関与したがりません

 

最近になって、コミュニティ育成イベントなどを企画するデベロッパーも出てきましたが、それでも自社の社員が主催するケースは稀で、管理会社やイベント企画会社にアウトソーシングすることで入居者との縁を切っているのもその表れです。

 

また、マンション内で住民間のコミュニケーションを図るために、インターネットのメーリングリストや掲示板を整備しているマンションも増えました。

 

しかし、これは安易な企画と言わざるを得ませんし、デベロッパーの責任放棄にも思えます。

 

メーリングリストや掲示板を作り、後は入居者たちにお任せということなのかもしれませんが、コミュニティはインターネットやメールからは育まれません。実際、そうしたマンションでは掲示板が悪口の言い合いになっていることもあるようです。

 

顔が見えない無記名のコミュニケーションは、その時の感情に任せて、言ってはならないことを書いてしまいがちです。それを口火として、仲裁に入れないほどにエスカレートし、住民間に亀裂が入ってしまったら、そこでの暮らしは苦痛なものにしかなりません。

 

やはり、人間関係を育むには人間が媒介しなくてはいけませんし、当初はデベロッパーが手助けをする必要があります。

 

それを考えれば、作り手として、マンションでは互いが独立した生活を営み、他人に煩わされることなく暮らせるなどと誇張した売り方をしてはならないと私は思います。

本連載は、2011年3月23日刊行の書籍『本物マンション購入計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社リブラン 代表取締役

1967年、東京生まれ。株式会社大京にて分譲マンション事業用地の仕入を担当。その後、1992年、株式会社リブランへ入社し、2002年、同社代表取締役に就任する。マーケットシェアを奪い合う分譲マンション業界で、同業他社とは同じ土俵で勝負しない経営スタイルを堅持。24時間、音楽漬けを可能とするマンション「ミュージション」の分譲、賃貸事業を行い、新たなマーケットの創造を行う。

著者紹介

本物マンション購入計画

本物マンション購入計画

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

人生最大の買い物を間違えたくないと、慎重に選ぶマンション。しかし、誰もがマンション選びの常識と思っている情報が、実は売り手の都合に塗り固められたものだとしたら・・・。本書の前半では、住み心地よりも効率優先で作ら…

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