Airbnb物件において優れている「立地」の条件

前回は、Airbnbとして物件を活用する際、利回りが高くなる部屋の広さなどについて説明しました。今回は、Airbnbに適した「立地」について見ていきます。

立地はアクセスよりも「地図上の近さ」が重要

Airbnb物件に適した立地とはどこでしょうか。実は、現在の人気エリアは驚くほど集中しています。東京で言えば、「渋谷―六本木―新宿」を3点で結んだ円の中と、東京スカイツリーや浅草を中心とした下町エリアです。

 

東京の下町エリアは観光地として整備されているので、いかにも観光客に好まれそうですが、それ以上に渋谷や新宿といった都心のマンションが人気です。

 

[図表1]Airbnb物件として人気のエリア

人気エリアは都心と下町に集中している。
都心と下町に人気が集中していることが分かる。

 

渋谷は、外国人にとっても日本の文化の発信地として十分に認知されています。特に渋谷のスクランブル交差点は、他国にはない特別な光景が見られるスポットとして有名です。

 

いろんな方向からたくさんの人が一斉に交差点を渡ってくる様は、外国人にはとても不思議で、ユニークに映るようです。「なぜ、みんなバラバラに歩いてきてぶつからないのか」と驚くのだそうです。

 

その証拠に、スクランブル交差点を見渡せば、必ずと言っていいほど外国人観光客の姿が目に入ります。交差点の様子を撮影している人はもちろん、スマートフォンで自撮りをしながら横断している外国人も何人もいます。

 

新宿は中国人観光客に特に人気です。免税店や家電量販店が多数あり、家電量販店で大量の家電を購入する光景も一般化しています。

 

六本木については、もともと大使館が多く外国人に馴染みが深いということがあり、Airbnbでも人気スポットとして認識されています。

 

こうした都心の人気エリアですが、必ずしも駅前の物件である必要はありません。ここがAirbnbの面白いところですが、彼らにとっては駅前のホテルのような利便性は必須ではなく、駅から見て大まかな直線距離が近ければ同等の扱いとなります。

 

たとえば、渋谷からほど近い代々木エリアや千駄ヶ谷といった地域が人気ですが、これも駅で言えば渋谷から離れていると言えるかもしれません。しかし、直線距離で言えば渋谷―新宿―六本木に近いため、Airbnbでは人気が出やすい物件となっています。

 

[図表2]人気が集まる場所の例

アクセスよりも人気エリアからの距離で選ばれる。
アクセスよりも人気エリアからの直線距離で選ばれる。

 

東京近郊、たとえば山手線周辺にあるというだけでも民泊に向いている物件として見られます。

 

実際のアクセスは遠いかもしれませんが、少なくとも地図上の直線距離が近ければ良い、という判断になります。彼らの感覚としては、「地図で見た感じ、有名な駅から近いから、ここに泊まろう。どの地下鉄に乗れば良いかなどは後から調べればいい」といった感じでしょうか。

 

渋谷や新宿、六本木、原宿などの駅からなら、徒歩10分以上の距離でも好立地と見なされます。それ以外の駅に関しては、10分以上離れると少し遠く思われてしまいますが、宿までの道なりに何があるかで、ゲストの受け止め方は違ってきます。

 

筆者の会社のデータによると、稼働率が高い物件の条件として「駅から6分以内」というのが1つの目安としてあります。

 

しかし、同じ6分でも、道によってAirbnb利用者に好まれやすい道と、そうでない道があることが分かっています。

 

Aの道は途中にほとんど店がなく、大通り沿いをただ真っすぐ歩く道です。Bの道は道なりに商店街があり、行き方が複雑で、地図を丹念に読み解かないとたどり着けない道です。

 

この2つをAirbnbのレビューの中にある「ロケーション」という評価軸で見てみると、意外なことにBのルートのほうが高い評価を得られました。

 

この結果は、Airbnbゲストの特性をよく物語っています。彼らには「日本人のありのままの生活を体験したい」というニーズがあります。

 

宿までの何もないところを真っすぐ歩くよりも、商店街を通って、日本人が居酒屋で吞んでいる姿を横目に、パン屋さんでご飯を買っている姿を見たり、花屋さんで近所の人が話をしているところを見たり、そういう「普通の日常」に溶け込むことができることを大切にします。

 

そういった感覚を得られるのは、やはり商店街や古い町並みがある地域です。日本人からすると、商店街を通った複雑な道は敬遠されそうだと思うかもしれませんが、逆なのです。そこを通るだけで楽しい、つまり、ロケーションが良いという評価に繋がっています。

 

東京と同様に、京都や大阪でも主要駅の近くが人気です。京都旅行であっても、Airbnbを初めて利用して京都に旅行に行く場合は、駅中心部近くで探すのが一般的です。

「いまひとつの物件」も、Airbnbでは高評価になる!?

民家に泊まれるAirbnbだからといって、京都の山奥の寺院に近い民家を選ぶかというとそうではありません。

 

既存の物件の新しい魅力をAirbnbに合わせて発掘していくことで、今まででは見なかった良い面が浮き彫りになっていくことがあります。

 

日本人の感覚からすると、「うちの物件は駅からちょっと歩くからダメかな」「部屋が狭いから稼働率は見込めないだろう」と思う立地でも、Airbnbでは十分通用する例がたくさんあるのです。

 

そのほか、地方の都市にももちろん可能性はあります。

 

日本人にはあまり知られていませんが、JRが発行している割引チケットに「JRパス」というのがあります。外国人専用の新幹線乗り放題チケットで、7日間という長い期間、JRの新幹線に乗り放題になります。

 

外国人旅行客の多くはこのJRパスを必需品として購入することも多く、これを使って日帰りで遠くのエリアまで行くことも珍しくありません。

 

新幹線のエリアであれば、広島や石川といった地方の観光地などにも行けるので、そういった地域のAirbnbも人気が出やすくなっています。

 

また、ブログに紹介されることで人気になるエリアもあります。Airbnb利用者の多くが、事前に日本旅行体験者のブログを見て情報を仕入れています。

 

ブログには巡った観光地はもちろんのこと、Airbnbでどこに泊まったかといったことも書かれるため、その記事が宣伝となって、次の利用客を呼んでくることがよくあるのです。

 

外国人にほとんど知られていなかったエリアが、ブログに紹介されたことでたちまち人気エリアに変貌した顕著な例として、飛騨高山があります。ある中国人の人気ブロガーが飛騨高山を旅したときのことをブログで紹介し、その感動を伝えたところ、中国人観光客が押し寄せるようになりました。

 

多少交通の便が悪くても、人気に火がつけば観光客がたくさんやってくる可能性は大いにあります。

 

Airbnbもそうしたゲストの口コミを大切にしており、ゲストレビューを推奨するようなつくりになっています。

本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載中古アパート・マンションが生まれ変わる「airbnb運用」

リスクマネジメントグループ代表
株式会社リスクマネジメント・アルファ代表取締役
株式会社エース管理取締役 

1970年8月23日愛知県蒲郡生まれ、蒲郡育ち。27歳のとき、外資系保険会社にヘッドハンティングされ転職。2002年、31歳で独立開業。その後、株式会社リスクマネジメント・アルファを設立。不動産を扱う業務が増えたため、不動産売買仲介を行う株式会社エース管理を設立する。

著者紹介

Zens株式会社 代表取締役

1987年長崎県諌早市生まれ。17歳でニュージーランドに渡り、オークランド工科大学ビジネス学部卒業後、共同購入クーポンサービスで起業、その後株式会社トーチライトを経て2011年6月に株式会社Zen Startupを共同創業し、2013年8月に北米市場向けFacebook解析ツール「ZenMetrics」を開発・マーケティングを行う。2014年、自身がAirbnbホストになったことをきっかけに8月よりAirbnb内装・運用代行サービスを開始。

著者紹介

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

小沢 吾亘・町田 龍馬

幻冬舎メディアコンサルティング

ここ数年“サラリーマン大家”という言葉が定着してきました。年功序列や終身雇用制度が崩壊し、将来に不安を抱えるサラリーマンが安定した資産を築く手法として注目しているのが不動産投資です。こうしたサラリーマン大家の大…

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