前回は「集中投資」のメリットを紹介しました。今回は、低位株投資において信用取引が有効となる理由を見ていきます。

投資用の資金が少ないと買える銘柄が限られるが・・・

「低位株」投資なら、短期間で元手を大きく増やすことができますが、1回の売買で爆発的に上昇する銘柄を探そうとすると、最初はなかなか難しいかもしれません。

 

しかし、仮に50%の利益を2銘柄で実現すれば、それだけで金額は2倍に膨れ上がります。30%での利益でも、3〜4回実現すれば、同じように金額を2倍に増やすことができます。

 

「低位株」投資を始めるに際し、初心者の方には100万円を元手に、まずは年間50%の収益を目指すのが、筆者のおすすめのエントリーモデルになります。つまり、元本100万円を150万円に増やすことを目指すわけです。

 

もちろん100万円というのは一つの目安です。株価の安さにアドバンテージがある「低位株」投資なら、50万円から始めても、十分儲けを生むことができます。

 

しかしながら、日経平均株価が値上がり傾向にあるタイミングでは、投資用の資金が少なすぎると買える銘柄が限られてしまいます。

 

無理に自己資金内で買える低位株の中だけから銘柄を選ぶよりも、低位株全体から常時監視する銘柄を選び出し、買いパターンが現れた銘柄が元手では足りないのであれば、「信用枠」を使うことも選択肢の一つです。

1.5倍の信用枠を使えば銘柄の選択肢は大きく広がる

信用取引とは、証券会社からお金を借りて株を売買する取引のことです。担保となる現金(または株)を預けることで、その約3倍の金額まで取引できるようになります。例えば、担保が50万円なら信用枠は約150万円に、担保が100万円なら信用枠は約300万円に設定されます。

 

信用取引はお金(または株)を借りて行う取引のため、使い方を誤ると大きな損失につながる可能性がありますが、無理せず資金管理をしっかり行うことで、効率のよい投資をすることができます。

 

信用取引を行う目的は、あくまで銘柄の選択肢を広げるためです。レバレッジ(テコの原理)を効かせて、大金を動かそうということではありません。

 

信用枠は担保となる現金の約3倍が上限として設定されますが、上限ギリギリまで使うことは避ける方がよいといえます。信用枠を目一杯使って取引を行えば、「追証」という追加の証拠金を支払うことになりかねないからです。

 

担保が100万円なら信用枠は約300万円に設定されます。その中の1.5倍に相当する150万円までの取引を行うのがよいでしょう。勝率だけでいえば3回、4回と連敗することはザラにありえます。連敗したときの損失を鑑みたとき、妥当だと思われるのが1.5倍という数字なのです。

 

1.5倍の枠があるということは、担保が不足したときに追加で担保を求められる「追証」までの距離が遠いため、大ケガするリスクは大幅に減少します。また、前回紹介したように、1銘柄ずつの集中投資を前提としているため、保有銘柄に常に目を配ることができ、リスク管理という点でも問題ありません。

 

100万円よりも少額で株を始めたい人は、信用枠を1.5倍使うだけで、銘柄の選択肢がグッと広がるはずです。

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    本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

    初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

    紫垣 英昭

    幻冬舎メディアコンサルティング

    アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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