M&A交渉のための提出書類——売り手サイドの注意点とは?

前回は、M&Aを行う経営者が知っておくべき、5つの実務について説明しました。今回は、売り手企業が、買い手企業に「提出する書類」を収集する際の注意点などを見ていきます。

買い手企業は「提出された書類」をもとに交渉に臨む

本格的な交渉に入る前に売り手企業には買い手企業に提出する資料や書類があります。

 

この段階では「会社案内」「商品カタログ」「貸借対照表(B/S)」や「損益計算書(P/L)」等の「財務諸表」(最低過去3期分)や「定款」「株主名簿」「事業の内容を理解するために必要なさまざまな資料(たとえば業務フロー、主要取引先の資料・リストとその売り上げ・仕入れ額の推移、基本契約書)」「組織図」などです。

 

買い手企業は、これらの資料をもとに、売り手企業の内容を事前にある程度理解して「ビジネス・スタディ・ミーティング」に臨みます。

必要書類集めでは「秘密漏洩」に要注意

売り手企業の社長として注意するべきポイントは、社内での秘密漏洩対策です。たとえばよくあるケースとして、必要な書類集めを部下に頼んだことによって、社内で会社売却の噂が広がってしまったという失敗です。

 

秘密が漏洩しないためには、部下には「会計監査をすることになった」という理由を口実にして書類を揃えてもらったり、あるいは社長自らがすべての書類を揃えたりと、皆さん苦心をされています。

 

なお、「デューデリジェンス(買収監査)」では買い手企業がより詳しく売り手企業の最終調査を行います。その際には、さらに多くの書類が必要となりますので、迅速に漏れなく書類集めができるように前もって準備をしておくことをおすすめします。

本連載は、2016年3月10日刊行の書籍『会社売却の心得28カ条』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

企業活性パートナーズ株式会社 代表取締役社長

昭和30年12月生まれ。東京大学工学部卒業。スタンフォード大学客員フェロー。昭和53年4月、山一證券株式会社入社後、株式会社レコフ主席執行役員などを経て、平成24年6月、企業活性パートナーズ株式会社代表取締役社長就任(現任)。通産省「店頭市場研究会」「MBO研究会」「企業価値研究会」各委員歴任。M&Aのディール責任者として100件以上の案件成約に関与。電機業界、ソフト・情報産業、流通、住宅、金融、外食、エネルギー、機械等、幅広い業界のM&Aを経験している。

著者紹介

連載「企業の高値売却」を実現するための心得10ヵ条

会社売却の心得28カ条

会社売却の心得28カ条

大塚 武樹

幻冬舎メディアコンサルティング

後継者不在、業界の先行き不安、事業拡大の資金不足など、中堅・中小企業経営者が抱える悩みは実にさまざまです。これらの悩みを解決するための手法として、本書では「会社売却」で知っておくべきこと――M&Aを検討すべきタイ…

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