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連載年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門【第24回】

居住系の「収益用不動産」にはどんな種類があるのか?

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居住系の「収益用不動産」にはどんな種類があるのか?

前回は、どのような不動産会社と取引するのが望ましいのかを説明しました。今回は、居住系の「収益用不動産」の種類について具体的に見ていきます。

新築、中古・・・それぞれメリット・デメリットがある

収益用不動産は、アパート、マンション、貸戸建てといった居住系のものと、オフィスビル、店舗、倉庫、ホテルといった事業系に大別することができ、本連載がターゲットとする居住系においても、さらに細分化することができます。

 

そのなかで、どこに狙いを定めていくかという戦略を立てることが、アパート事業においては重要です。

 

■新築か中古か

 

新築は、当分、改修費用がかからずに済む点、最新の設備や間取りが取り入れられている点、それによりしばらく(5年程度)は空室が出ないであろう点、といったメリットが挙げられます。一方で、利回りが中古に比べると低くなるというデメリットがあります。

 

日本では、中古物件の建物価値を低く見る習慣があり、極端な話、20年以上経過した場利回りが上がるというメリットがあります。一方で中古は、改修費や突発的な修繕が発生するといった、メンテナンス面での費用がかかります。

 

新築と中古ではどちらが良いかは一概にはいえませんが、私の考えでは、圧倒的に中古のほうが投資としてのメリットは大きいでしょう。それは、アパート事業はあくまでも投資であり、利回り(投資効率)の追求が欠かせないからです。

 

逆にいえば、一般的に新築物件では、高利回りが期待できないという現実があります。土地から取得し、いちから建築するとなると、建物代に業者の利益が上乗せされるからです。

 

もちろん、何らかの事情で土地を相場より安く仕入れることができた場合などは、この限りではありません。また、不動産ポートフォリオの一部に新築のアパートを組み込むことは非常に有効でしょう。

 

■区分所有か一棟ものか

 

所有形態における、「区分所有(敷地利用権)」と「一棟もの」という分類もあります。区分所有とは、マンションなどの一室の所有権を取得することです。

 

ワンルームの場合、合は「ゼロ」と見なされることも少なくありません。そのため、中古は価格が抑えられ、安いものだと200万円程度から、大きいものでも2000~3000万円です。利回りの関係で、基本的にはワンルームでの所有となります(家賃の坪単価はワンルームが最も高いため)。

 

これもどちらが良いとは一概にいえませんが、不動産による資産形成という観点からは、圧倒的に一棟もののほうが優れていると考えます。理由は簡単で、資産規模を拡大するにあたり、区分所有を何十戸、何百戸と購入するのは現実的ではないからです。

 

また、区分所有権というのは、オーナーの効力は建物全体には及ばず、その占有面積内のみに限定されます。すると、建物を修繕したり、設備を更新したりといった、経営的判断を自分の意思で下すことができなくなるのです。

 

どちらかというと区分所有は、「単純な投資」という性格を持ちます。つまり、自己資金によって手軽な投資をしたいという方に適しているのです。

 

本連載の目的はアパート事業によって資産を築くことにあるので、一棟もので、かつ投資効率の良い中古のアパート・マンションにターゲットが絞られます。

 

ただし、後述するように一棟の分譲マンションの区分所有の部屋を複数取得するケースは面白いでしょう。

木造のアパートをポートフォリオに組み入れると効率的

■木造、RC造、鉄骨造

 

一棟もののアパート・マンションの構造には、大きくわけて3種類あります。どの構造が良い悪いではなく、資産形成においてはバランス良く所有することが大切です。木造は、一般的に「アパート」といわれるものです。

 

基本的には2階建てなどの低層で規模が小さく、メリットとしては、維持費や解体費が少額で済みます。

 

デメリットとしては、税務上の耐用年数が短いため、金融機関からの借入期間が短く設定されてしまう場合がある点です(ただし、税務上の耐用年数と借入期間の直接の相関関係はありません)。借入期間が短くなれば、当然、キャッシュフローが少なくなるので、アパート事業としては不利になります。

 

一方で、税務上の耐用年数が短いということは、年間あたりの減価償却を多く取れるため、節税としてのメリットがあります。

 

RC造は、一般的に「マンション」といわれるもので、メリット・デメリットは木造の逆になります。税務上の耐用年数が長いため、借入期間が長く取れるケースが多いことはメリットですが、建物の維持管理費や解体費がかさむデメリットがあります。

 

鉄骨造は、木造とRC造の中間と考えていただければよいでしょう。

 

これらの構造による良し悪しはなく、メリット・デメリットを理解したうえで資産形成のポートフォリオを組んでいく必要があるのです。筆者の考えでは、税務上(減価償却)の問題、修繕、解体の問題を考えると、木造のアパートを資産形成のポートフォリオに一定の比重で組み入れることは非常に効果が高くなると思います。

 

■参考:解体費用

 

木造 坪当たり 3~5万円

RC造 坪当たり 5~10万円

※エリアや時期によって異なる

本連載は、2012年6月27日刊行の書籍『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門 [改訂版] 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本書は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、本書を用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

大谷 義武

武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

昭和50年 埼玉県熊谷市生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産株式会社に入社。同社にて商業施設(ショッピングセンター)やオフィ スビルの開発・運営業務に携わる。平成17年12月同社を退社し、さいたま市において有限会社武蔵コーポレーション(現在は株式会社)設立。代表取締役に就任。賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・仲介に特化した事業を開始する。

著者紹介

連載年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門

年収1000万円から始める 「アパート事業」による資産形成入門

年収1000万円から始める 「アパート事業」による資産形成入門

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

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