企業の高値売却のために知っておくべき「5つの実務」とは?

後継者不在、業界の先行き不安、事業拡大の資金不足など、中堅・中小企業経営者が抱える悩みは実にさまざまです。これらの悩みを解決するための手法として、本連載では「会社の高値売却」を実現するために知っておくべき心得10ヶ条を紹介します。連載第1回目は、M&Aを行う経営者が知っておくべき、5つの実務について見ていきましょう。

M&Aの流れでいえば「第2ステージ」の段階

M&Aのおおまかな流れとしては、まず第1ステージにおいて、適切なM&A業者・コンサルタントの選定、提案先の選定、提案、提案先がM&A交渉に同意して「秘密保持契約書」の調印をします。ここまでくると相当な確率で、その後の第2、第3ステージまで進んでいくのがM&Aの通例です。

 

さて、M&Aの第2ステージでやるべき5つの実務があります。それが、「ビジネス・スタディ・ミーティング」「企業評価・価格交渉」「スキームの確定」「その他の条件の決定」「基本合意契約の締結」です。

相性を含め、様々な課題を乗り越える必要がある

1つ目のビジネス・スタディ・ミーティングでは両社の事業の理解、シナジーの検証、トップ同士の相性などを見極めます。

 

お互いの人間性にまで深く踏み込みながら、M&Aという結婚が果たして上手く成立するのかを慎重に検討します。このミーティングは両社の未来像を描く上でデリケートかつ重要な実務となります。

 

2つ目は、交渉の核となる価格交渉です。企業会計にプロフェッショナルな知識を持つM&Aコンサルタントによる見極めによって企業価値を算出し、仲介で案件が進んでいる場合は、仲介者が公正な立場で売り手企業と買い手企業双方の接点を見出していきます。

 

3つ目の実務では、どのようなスキームを選択するかの具体的な検討の段階に入ります。スキームは買い手側にとっては買収後のリスクの最小化、順調な事業の引き継ぎと事業運営などのポイント、売り手の社長にとっては税引き後の実質手取り額が重要なポイントになります。

 

両社にとって株式譲渡、分割、事業譲渡あるいはその組み合わせなど価格交渉と同じく双方の接点を見出します。

 

4つ目は、その他の条件の決定です。基本合意後のスケジュール、デューデリジェンスで問題が見つかった場合の価格の変更条件などを決定します。

 

以上のプロセスを経て第2ステージのクライマックス、「基本合意契約」の締結となります。これらの5つのそれぞれの実務において、経営者として絶対に知っておくべき重要な心得がありますので、次回から順を追って解説していきましょう。

本連載は、2016年3月10日刊行の書籍『会社売却の心得28カ条』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

企業活性パートナーズ株式会社 代表取締役社長

昭和30年12月生まれ。東京大学工学部卒業。スタンフォード大学客員フェロー。昭和53年4月、山一證券株式会社入社後、株式会社レコフ主席執行役員などを経て、平成24年6月、企業活性パートナーズ株式会社代表取締役社長就任(現任)。通産省「店頭市場研究会」「MBO研究会」「企業価値研究会」各委員歴任。M&Aのディール責任者として100件以上の案件成約に関与。電機業界、ソフト・情報産業、流通、住宅、金融、外食、エネルギー、機械等、幅広い業界のM&Aを経験している。

著者紹介

連載「企業の高値売却」を実現するための心得10ヵ条

会社売却の心得28カ条

会社売却の心得28カ条

大塚 武樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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