不動産 国内不動産
連載不動産投資を成功に導く「銀行融資」交渉術【最終回】

銀行の融資判断における「市街化調整区域」の土地の評価

不動産投資カーター校長

銀行の融資判断における「市街化調整区域」の土地の評価

不動産投資において、最大の関門ともいえる「融資」。本連載は、カーター校長として親しまれている河田康則氏の新刊で、2014年4月に刊行された『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、融資交渉のノウハウなどをご紹介します。

市街化調整区域の土地は評価されない!?

前回に引き続き、筆者の失敗体験について見ていきます。

 

買い損ねましたが、結果としてよかった。どんどん買い進むことができなくなるところでした。この市街化調整区域の物件情報を知ったのは、2009年7月のことです。インターネットの物件紹介から知り合いになった、よく情報をくれる業者からのものです。

 

《物件概要》

●横浜市

●RC築16年

駅10分      

●価格2億2700万円

年収2724万円 

●利回り12%

満室

●信託受益金売買

いわゆるファンド物件で非常にきれい

 

当時は恥ずかしながら積算評価と収益還元評価もわかりませんでした。もちろん銀行がどのような評価をするかも知らない状況でした。ただ利回りのいい物件をひたすら探していたのです。

 

横浜で12%の利回りで物件はファンドが管理していて非常にきれいでした。築年数も16年。融資期間はRCなので47年ー16年=31年。つまり30年で融資が付きます。

 

ある地方銀行がフルローンで融資を出してくれそうだと売買担当業者から聞きました。当時購入しようか迷いました。地方銀行でもいいのですが、メガバンクにも融資を聞いてみることにしました。

 

ところが驚いたことに融資がフルローンどころか1億円余りしか伸びないとのことでした。

 

「えー!どうしてだろう?」と思い、聞いてみたところ、市街化調整区域にある土地だと、ほとんど評価しないという理由でした。

 

積算評価、収益還元評価を理解している方であれば、この物件を買えば信用毀損をして債務超過になり、次の物件を買うときに影響があるとわかるので簡単にパスします。

 

信用毀損をするとは、積算評価やまたは収益還元評価でないものを買うことです。積算評価か収益還元評価がマイナスになり、債務超過と次の銀行で判断されますので、この物件の次の物件が買えなくなります。

 

この物件のケースでは、土地が評価されないので積算評価はでません。しかし家賃は、しっかりとれるので収益還元評価は出ます。このときは初心者でスタンスもはっきり決まっておらず、「メガバンクが評価しないものを買ってもいいのか?」と悩んでいるうちに、他の人の買い付けが入ってしまいました。

 

これだけいい物件は滅多にないにもかかわらず、買い付けが入っていない。「どうも売りに苦労しているようだ」と感じただけだったのですが、結果的には買えなくて良かったのです。

 

もしも、この横浜の物件を買っていたら、次の物件を買うことができなくなっていたと思います。それでも好きな投資を諦めることはなかったと思うので、売却をしてやり直していたのではないでしょうか。

 

利回りが高く良い物件でしたので、この物件を最後にしたいと考える人はいるでしょうから、全くアウトにはなっていないと思いますが、とても高い勉強料を払う可能性があります。

融資を活用する人は現金払いには100%勝てない

こちらは2010年10月の情報です。これも知り合いの業者からの情報です。川崎市で土地が広く、珍しく積算も出ている物件でした。RC構造2億7000万円で出ていました。

 

今なら満額でもちろん入れます。当時は指値が効いたときだったので、500万円の指値を入れました。無理なら満額でもいいと考えていたのです。これが甘かった。現金で買う人が現れたのです。同じ指値だったと聞きましたが秒殺です。融資を活用する人は現金で買う人に100%勝てません。

 

売主の立場になったら分かることです。確実に売却できるわけですから、現金の人の指値が多少安くても負けることがあります。しかし、2億6500万円を現金で買える人がいるのだから「世の中広いね・・・」と残念を通り越し感心していました。

本連載は、2014年4月11日刊行の書籍『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

河田 康則

外資系保険会社の元支社長で相続が専門分野。1989年より株式投資、1993年より不動産投資に挑戦し、倍々で資産を増やし続け、資産は約7.5億円(不動産6.5億円株式その他1億円)、家賃収入は約5000万となる。
教え好きな性格と姓の「かわた」からカーター校長として親しまれている。2013年5月、自らのブログにて“カーター行列の法則”により株の暴落を的中させ暴落直前に売却。カリスマ投資家として注目を浴びるようになる。
「人が一番!融資が本命!」をテーマにした“物件が高い、今からの不動産投資”について書籍名『「不動産投資」ゼロから儲ける 一年生の教科書』を執筆中。2016年5月出版予定。

著者紹介

連載不動産投資を成功に導く「銀行融資」交渉術

金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資

金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資

河田 康則

ぱる出版

[低金利のメガバンク vs 借りやすいS銀行]不動産投資の成功の条件第1は「銀行から低金利で融資が受けられるか」だ。しかし、都市銀行の金利1.4%と比較的借りやすい銀行の4.5%では、1億円・30年返済のローンで、返済額は…

Special Feature

2016.12

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

生命保険活用セミナーのご案内

人気書籍の編著者が明かす「相続専用保険」の活用術<ダイジェスト版>

~人気書籍の編著者が明かす「相続専用保険」の活用術<ダイジェスト版>

日時 2016年12月14日(水)
講師 吉永秀史

海外不動産セミナーのご案内

国外財産にかかる相続税・贈与税の最新事情と注目集める「フィリピン永住権」の取得術

~改正議論が進む海外資産税務のポイントと東南アジア屈指の成長国「フィリピン」の最新活用法

日時 2016年12月14日(水)
講師 剱持一雄 鈴木 廣政

生命保険活用セミナーのご案内

人気書籍の編著者が明かす「生命保険」活用の基礎講座

~人気書籍の編著者が明かす「生命保険」活用の基礎講座

日時 2016年12月17日(土)
講師 吉永秀史

The Latest