「現金」を贈与すると、具体的にいくらの贈与税がかかるのか?

相続財産の評価額は、「広大地評価」「小規模宅地等の特例」を活用することで大きく下げることができます。本連載は、税理士・岡野雄志氏の著書、『土地評価を見直せば相続税はビックリするほど安くなる』(あさ出版)の中から一部を抜粋し、「広大地評価」「小規模宅地等の特例」の特徴、活用のメリットなどを紹介します。

贈与は「現金」と「建物」のどちらが良いのか?

生前の相続税節税対策の一つとして、「贈与をするときに現金を建物に換える」という方法があります。親が子などに贈与する際、現金をそのまま渡すのではなく、その費用で家を建てて、その家を贈与するということです。

 

これは、建物の相続税評価額が固定資産税評価額によっていることがポイントとなります。

 

固定資産税評価額とは、国が定めている「固定資産評価基準」によって市町村が決定します。この固定資産税評価額は一般的に、土地が実勢価格の約70%、建物が鉄筋コンクリート造(RC造)であれば建築費の70〜80%、木造であれば建築費の40〜50%程度だといわれています。

「現金」による贈与は課税額がはっきりしている

ここでは直系尊属(親や祖父母)から子に贈与する場合の例をあげましたので、下記図表1をご覧ください。

 

[図表1]直系尊属から子に贈与する場合

 

通常、現金を5,000万円贈与しようとする場合、現金5,000万円がそのまま、課税のベースとなります。

 

贈与税においては、課税前の段階で年間110万円の基礎控除額が設けられていますので、110万円以下の贈与に関しては課税されない仕組みになっています。

 

したがって、現金5,000万円を贈与する場合は、基礎控除額110万円を差し引いた4,890万円に、贈与税がかかることになります。

 

下記図表2の贈与税率表をご覧ください。この贈与税率は直系尊属が受贈者に贈与する際にかかる税率(特例税率)です。

 

[図表2]贈与税率表(特例税率)

 

基礎控除後の課税価格4,890万円は、上記図表2における4,500万円超に該当しますので、贈与税率は55%、さらに、贈与税本体にも控除額が設けられていますので、4,890万円に税率55%を乗じ、控除額640万円を差し引いた、計2,049万5千円が支払わなくてはならない贈与税額となります。

 

次回は、現金を建物に変えて贈与した場合の、節税効果を紹介します。

本連載は、2015年12月23日刊行の書籍『土地評価を見直せば相続税はビックリするほど安くなる』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

岡野雄志税理士事務所 所長 税理士

相続税専門の税理士。早稲田大学商学部卒業。2005年、横浜市に事務所を設立。開業以来、相続税還付や申告、対策など相続税関連の案件を600件以上手がける。全国各地で332件以上の相続税還付に成功。2014年12月『納めてしまった相続税が驚くほど戻ってくる本』(あさ出版)を出版。2015年2月に新横浜駅の事務所に移転。

著者紹介

連載「広大地評価」「小規模宅地等の特例」を活用して相続税をビックリするほど安くする方法

土地評価を見直せば 相続税はビックリするほど安くなる

土地評価を見直せば 相続税はビックリするほど安くなる

岡野 雄志

あさ出版

相続財産の42%は土地ですが、「広大地評価」「小規模宅地等の特例」を活用することで評価額を大きくダウンさせることが可能です。30以上もの実例をもとに、“地主の立場”で戦うプロ中のプロが、贈与税や相続税をビックリする…

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