フィンテック企業の新たな取り組みと課題

スリランカでも注目されはじめた金融Financeと技術Technologyの融合分野フィンテック(FinTech)についてお伝えしている本記事。後編の今回は、スリランカのフィンテック企業の新たな取り組みと、その課題を紹介します。

携帯電話の使用状況から個人のクレジットを評価付け

金融分野に大きな変革を呼び起こす可能性のあるフィンテック。そしてフィンテック企業が目新しく巧みな戦略を掲げながら取り組んでいるもう一つの分野がある。それは個人と零細企業に対する信用リスク評価のサービスだ。

 

アフリカでの事業が盛んなスタートアップ企業First Access社が個人の弁済能力を評価するために参照するプリペイド式携帯電話関連のデータは、以下のようなものまで及ぶ――通話残高をチャージする頻度、購入したパケットデータの種類、送信メールの数、利用者が電話をかけるタイミング、SNSをどう利用しているかなどだ。

 

OnDeck社によるウェブ上の貸付市場では、零細企業の健全性と信用度を評価するためにソーシャルメディア上で見つかる企業の評判から物流会社の利用状況に至るまでの全情報を用いる。上記モデルは、銀行部門が利用する従来のクレジット・スコアと同等の信頼性を得るには依然及ばない。その一方で、OnDeck社やFirst Access社といったプラットフォームはデフォルト率がより低い水準で抑えられているとは言わないまでも、成長率は同程度であり出だしは好調だ。

当面はニッチでも、将来性は大

ピアツーピア型の貸付市場がより地域に根差しており、レバレッジやフラクショナル・リザーブ・バンキング制度に関連したリスクを抱えていない点は注目に値するだろう。それゆえ新規参入者は、信用取引をより多様化かつ安定化させることに貢献している。

 

また、収益を増やすために銀行や金融業界がこっそり膨らませている手数料収入の存在も危ぶまれている状態だ。たとえばTransferwise社のようなスタートアップ企業は、為替手数料というかたちで見えない費用負担を課すウエスタン・ユニオン社や銀行による従来の手法に比べ、わずかなコストで国際取引を促進している。インドではこのサービスを既に開始しているが、出稼ぎ労働者人口の多さを考えるとスリランカにも恩恵をもたらすサービスとなるだろう。

 

現状ではこれらのサービスは市場全体のうち僅かを掴み取ったにすぎず、即座に銀行に取って代わることはないだろう。古びた規則とリスクに対する消費者の意識は、それらが大規模に広まることを当面は押しとどめるはずだ。しかしながら、長らく既成のプレーヤーに支配されていたセクターには常にそのパワーバランスを崩す余地がある。そして私たちは巨人たちに挑戦状を叩き付けるスタートアップ企業群に声援を送ることが出来るのだ。

本記事はGTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年6月22日に掲載した「The Next Chapter of Finance What effect will global developments in finance and payments have here at home?」http://www.echelon.lk/home/the-next-chapter-of-financeを翻訳・編集したものです。

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連載スリランカの最新「フィンテック」事情

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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