税金 節税
連載<平成28年度税制対応>相続税の仕組みと節税対策に役立つ制度【第2回】

贈与税の税額はどのような基準で決まるのか?

贈与税

贈与税の税額はどのような基準で決まるのか?

今回は、贈与税の基本的な仕組みについて見ていきます。※本連載は、不動産の売買・交換、相続税、贈与税などの分野で積極的な問題解決を提案している税理士・鈴木高広氏の最新刊、『税額はこれだけ変わる!平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編』(ビジネス教育出版社)の中から一部を抜粋し、不動産にまつわる税金対策の基礎知識をご紹介します。

1年間の受贈額のうち基礎控除額を超える部分に課税

<贈与税額>

 

贈与税は、1年間の受贈額のうち基礎控除額を超える部分に対して課されます。

 

贈与税額=(1年間の受贈額-基礎控除額)×贈与税の税率

 

<贈与税の基礎控除額>

 

贈与税の基礎控除額は110万円とされています。つまり、1年間に贈与を受けた財産の総額が110万円以下の場合には、贈与税は生じないこととなります。

 

<贈与税の税率>

 

税率は、次の区分に応じて,それぞれ10%から55%までの8段階の超過累進税率とされています。

 

[図表1]①20歳以上の者が直系尊属からの贈与を受けた場合

 

[図表2]贈与税の速算表

 

[図表3]贈与税額の例

 

[図表4]②前記①以外の贈与の場合

 

[図表5]贈与税の速算表

相続税の適用税率は?生前贈与を活用しよう

<生前の有利な資産移転>

 

400万円の贈与に対して贈与税は、その8%程度の33.5万円となります。

 

贈与税額=(400万円-110万円)×15%-10万円=33.5万円

 

毎年400万円ずつ10年間で4,000万円贈与した場合の贈与税額は、10年間の合計で335万円、実効税率(実際に支払った税金の割合)はわずか8.375%となります。

 

相続税の基礎控除額を超える部分の税率は最低でも10%ですから、この4,000万円が相続税の基礎控除額(連載第10回参照)を超える部分から贈与されれば、贈与税のほうが小さくなります。

 

仮に、この4000万円部分の将来想定される相続税の適用税率が50%だとすると、この部分の相続税は2000万円となります。つまり、相続税なら2000万円、贈与税なら335万円、その差額は1665万円となります。

 

<相続人以外への贈与>

 

孫や第三者などへの相続財産の贈与(遺贈)の場合には、その遺贈にかかる相続税額は、通常の相続税額の1.2倍(相続税の2割加算)となりますが、贈与(生前贈与)であれば、贈与者と受贈者の関係にかかわりなく、通常の贈与税のみとなります。

 

<贈与のポイント>

 

贈与を行うときのポイント(留意点)は、次のとおりです。

 

①贈与を受ける人数を増やして基礎控除110万円を有効に使う。

 

②現金の贈与の場合には、手渡しではなく、受贈者の銀行口座に振り込み、贈与の事実を明らかにする。

 

③基礎控除額を超える贈与があった場合には、必ず申告をし、贈与税の納付は必ず受贈者が自ら行う。

 

④未成年者への贈与の場合には、親が預金口座を管理する(贈与者が管理しない)。

鈴木 高広

株式会社アウェイクコンサルティング 代表取締役
税理士法人アウェイク総合会計事務所 代表社員税理士 

昭和60年青山学院大学経営学部卒業。メーカー系販売会社に入社。主として販売企画業務に携わる。平成9年(株)タクトコンサルティング本郷会計事務所入社。相続、譲渡、交換、事業承継、土地活用、M&A等に関する実務および企画、研究、講演、執筆等を担当する。
平成16年 株式会社アウェイクコンサルティング、アウェイク総合会計事務所を設立、代表取締役に就任。個人、企業が抱える問題に対して、正確な分析に基づいた「生前贈与」「不動産の交換・買換え」「貸地・借地の整理」「各種保険の活用」「合併・清算」などの各種対策の提案を行い、問題解決の早期実現をサポートしている。

著者紹介

連載<平成28年度税制対応>相続税の仕組みと節税対策に役立つ制度

税額はこれだけ変わる!平成28年度税制対応 納税対策Q&A不動産・相続編

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