売り手の誠実性を測るための「モデルルーム」の見方

前回に引き続き、マンションの売り手の都合が如実に現れる「モデルルーム」の見方について紹介します。

必要書類の閲覧方法でも不動産会社の誠実さが分かる

前回に引き続き、「モデルルーム」を見学する際に注意すべきポイントを見ていきましょう。

 

販売センターに備え付けられた必要書類については疑問があります。たとえばマンション建設にあたっては大量の設計図面が必要になります。たいていのモデルルームではそのうちの一部を備え付け、見たいという希望があった場合にのみ、見せるというようなやり方をしているところもあるようです。

 

しかし、希望しなければ見せない、あるいは希望があってもなかなか見せてくれない、一部だけしか見せないといったやり方では、住まいを供給する側として、きちんと説明責任を果たしているとは言えません。

 

もっとも供給する会社の気持ちもわからないではありません。マンションは手作りの商品ですから、施工誤差も生じます。筆者はその施工誤差が生じることも十分にお客様に説明する必要があると思います。説明するのが面倒だから図面を設置しないという会社はお勧めできません。

 

私は、土壌改良工事から始まり、構造計算書、設計図面といった書類を販売センター内のお客様から見える位置に用意し、好きなように見てもらえるようにしてあるのが、住まいを供給する者として誠実なあり方だと考えています。

営業マンの「宅地建物取引士数」も大きなポイント

デベロッパーの姿勢の見方として営業マンの宅地建物取引士の数、あるいは割合を聞くということも必要かもしれません。

 

宅地建物取引士とは国土交通省の管轄の下にある国家資格で、不動産取引の際に行われる重要事項説明は有資格者でなければ行えないなど、デベロッパーにはなくてはならない存在です。

 

宅地建物取引業法でも事務所の従業員5人につきひとり以上は有資格者でなければならないと定めています。

 

ところが、この試験は毎年10月の第3日曜日に行われています。日曜日といえば、マンションのモデルルームが一番混み合う日であり、中には繁忙期に人手が足りなくなるのを嫌い、営業マンに試験を受けさせない会社もあると中途採用の面接時に聞いたりします。

 

そのため、会社全体では何とか法定数を満たしているものの、営業スタッフで見ると有資格者が少ない会社もあるのです。

 

しかし、この試験は宅地建物取引業法以外にも民法や建築基準法、都市計画法その他、建物、土地、税金など不動産取引には必須の知識を問われ、住宅取引に関わるなら、どんなに忙しくても取得しておきたいものです。そうでなければ、購入者へ正しい知識に基づいた情報を提供できません。

 

つまり、忙しいからといって、営業マンには資格を取らせないような会社や、取得割合の低い会社は、買い手に対し、説明責任を果たしているとは言えないのです。

本連載は、2011年3月23日刊行の書籍『本物マンション購入計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載マンション購入に潜む落とし穴――あなたを惑わす売り手の営業手法

株式会社リブラン 代表取締役

1967年、東京生まれ。株式会社大京にて分譲マンション事業用地の仕入を担当。その後、1992年、株式会社リブランへ入社し、2002年、同社代表取締役に就任する。マーケットシェアを奪い合う分譲マンション業界で、同業他社とは同じ土俵で勝負しない経営スタイルを堅持。24時間、音楽漬けを可能とするマンション「ミュージション」の分譲、賃貸事業を行い、新たなマーケットの創造を行う。

著者紹介

本物マンション購入計画

本物マンション購入計画

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

人生最大の買い物を間違えたくないと、慎重に選ぶマンション。しかし、誰もがマンション選びの常識と思っている情報が、実は売り手の都合に塗り固められたものだとしたら・・・。本書の前半では、住み心地よりも効率優先で作ら…

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