不動産 国内不動産
連載マンション購入に潜む落とし穴――あなたを惑わす売り手の営業手法【第6回】

なぜマンション業界は「住み心地」をおろそかにするのか?

不動産マンション営業マン

なぜマンション業界は「住み心地」をおろそかにするのか?

前回に引き続き、不動産営業マンと付き合う上で知っておくべきことを説明します。今回は、マンションを選ぶ際に意識すべきことを見ていきましょう。

マンションだけが住宅の選択肢ではないはずだが・・・

売るためには選択肢を絞り込むというセールステクニックが必要です。

 

よって営業マンは、マンションというジャンル内でのみ選択してもらえるよう、営業トークを展開します。そして、住宅全体や消費者ニーズそのものを見せないうちに営業を完了させるのです。住み心地が説明できない営業マンが増える背景には、このような点も挙げられます。

 

たとえば、同じエリア内に複数の物件を販売している会社が、見学客が悩んでいる時に比較例として自社物件を出すケースは多いでしょう。

 

マンション広告では、立地、広さ、価格、設備などの性能が語られ、賃貸との比較で分譲マンションのメリットは謳われますが、一戸建てや注文建築も含めた住宅全体で今、何が求められているのかについて語られることはまずないでしょう。

 

いずれの会社も、住宅全体の中からマンションを選ぶというのではなく、マンション業界の中で自社のマンションを選ばせるという選択肢を提示するのです。

 

しかし、住まいを選ぶということはイコールマンションを選ぶという意味ではありません。最終的にマンションを選択するにしても、最初はもっと広い目で住まいとはどんなものかということを捉えておく必要があるのです。

 

たとえば、『モダンリビング』や『ライヴズ』などといった注文建築で家を建てようと思う人が読む雑誌や、ハウスメーカーの家が立ち並ぶ住宅展示場を見てください。マンションの営業マンから聞く話とは違う、広い意味での住み心地という概念の存在に気が付くはずです。

まともな説明がない会社には疑問を持つべき

ここ数年、家を建てるとしたら、珪藻土や無垢の木材を使おう、健康によい素材を選ぼう、キッチンガーデンを作ろうといった、自然や環境に配慮した内装材やデザイン、ライフスタイルが主流になってきています。それはハウスメーカーのテレビCMを見ているだけでも、潮流を感じるはずです。

 

ところが、マンション業界には、このような動きはまったくと言っていいほど見られません。

 

自然や環境に配慮するといっても、IHやエコキュート、ソーラーパネル、LEDの導入、屋上緑化などにばかり力が入っており、生活環境を整え、室内を自然素材に替えるなどの住み心地には目が向かないケースが多いのです。

 

確かにマンションには一戸建てに比べて、法令上もさまざまな規制、制限があります。注文建築のように、施主の懐具合に合わせて作られる住宅とは異なり、ある一定の年収層の人が購入できる価格にしたいというデベロッパーの狙いもあります。

 

ですから、自然、健康志向というニーズですら水で薄めたような商品企画でいいか・・・ということになりがちなのでしょう。

 

その意味では、マンションという限られたジャンルの情報しか提供せず、住み心地も十分に説明してくれないにもかかわらず、「マンションだから、こんなものですよ」と諭すような発言をする営業マンがいる会社には、当然のことながら疑問を持つ必要があります。

本連載は、2011年3月23日刊行の書籍『本物マンション購入計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

鈴木 雄二

株式会社リブラン 代表取締役

1967年、東京生まれ。株式会社大京にて分譲マンション事業用地の仕入を担当。その後、1992年、株式会社リブランへ入社し、2002年、同社代表取締役に就任する。マーケットシェアを奪い合う分譲マンション業界で、同業他社とは同じ土俵で勝負しない経営スタイルを堅持。24時間、音楽漬けを可能とするマンション「ミュージション」の分譲、賃貸事業を行い、新たなマーケットの創造を行う。

著者紹介

連載マンション購入に潜む落とし穴――あなたを惑わす売り手の営業手法

本物マンション購入計画

本物マンション購入計画

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

人生最大の買い物を間違えたくないと、慎重に選ぶマンション。しかし、誰もがマンション選びの常識と思っている情報が、実は売り手の都合に塗り固められたものだとしたら・・・。本書の前半では、住み心地よりも効率優先で作ら…

Special Feature

2016.12

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

海外不動産セミナーのご案内

償却メリットにフォーカスした「ハワイ不動産」投資の最新事情

~築古木造のタウンハウスで建物比率80%以上。「ハワイの償却物件」の実際と活用法

日時 2016年12月10日(土)
講師 大橋 登

海外活用セミナーのご案内

国際金融都市「香港」で始めるグローバル資産防衛

~本格的な海外投資環境を整えるメリットと現地の最新金融事情

日時 2016年12月10日(土)
講師 長谷川建一

The Latest