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連載元・東京国税局部長が明かす、スゴい「減価償却」【第28回】

減価償却資産を決算日直前に購入する場合の「二つ」の留意点

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減価償却資産を決算日直前に購入する場合の「二つ」の留意点

決算日直前に、あわてて減価償却資産を活用しようとしても、できないことがあります。今回は、減価償却資産を決算日直前に購入する場合の二つの点について見ていきます。

減価償却は事業本来の目的に使用した日から計上が可能

皆さんが税金について最も気にかかり、考えるようになるのは、やはり期末、決算日の直前ではないでしょうか。しかし決算日直前になって、とんでもない課税所得が発生していたことに気がついて、あわてて減価償却資産を活用しようとしても、できないことがあるので要注意です。

 

減価償却資産を決算日直前に購入する場合は、二つの点に留意する必要があります。一つは、課税期間内に事業や業務の用に供しているかどうか。もう一つは、事業の用に供することができたとしても、減価償却費が月割計算されてしまうことです。

 

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再三述べてきたことですが、減価償却資産は事業の用に供した課税期間に、減価償却費を計上することができます。そのため、決算日直前に太陽光発電設備を取得したけれども、事業の用に供していない場合、償却費の計上はできません。

 

この「事業の用に供した日」というのは、一般的には、減価償却資産の性質に従って、本来の目的のために使用を開始した日とされています。太陽光発電設備の場合であれば、試運転ではなく、本格的に太陽光発電を始めた日が事業供用日と考えられます。

 

例えば、3月決算の会社で、3月に太陽光発電設備を事業供用する予定が、試運転でトラブルが発生し、本格稼働が4月にずれ込んでしまったとします。当然のことですが、これでは3月末までの課税期間に減価償却費を計上することはできません。

 

3月末までに事業供用したのか、あるいは4月に入ってから事業供用したのかによって、即時償却を損金化できる事業年度が変わります。これは、タックスマネジメントに大きな影響を与えますので、決算期末での事業供用は避けたほうが無難です。やむを得ない場合には、税務トラブル防止のため、正しい記録や証拠をしっかり残して、その正当性を主張できるようにしておきましょう。

課税期間の中途で事業供用された資産はどうなる?

また、課税期間の中途で事業供用された資産の減価償却費は月割計算されます。

 

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例えば、3月決算法人が3月に4年落ちの高級中古車を400万円で取得して即時に事業供用したとしても、減価償却費は、400万円×1/12=約33万円しか計上できません。前年の4月から事業供用していれば、約400万円が償却費として計上できるのですから、決算直前の3月に取得して事業供用することは、タックスメリットを大きく低下させてしまいます。やはり、早め早めにタックスマネジメントを考えておくことが重要なわけです。

 

【期末直前の減価償却】

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『スゴい「減価償却」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

杉本 俊伸

杉本俊伸税理士事務所 所長・税理士

1967年宮城県生まれ。中央大学法学部を卒業後、国税庁入庁。大曲税務署長、関東信越国税局調査査察部国際調査課長、ハーバード大学ロースクール、財務省主計局主計官補佐、国税庁資産課税課課長補佐、税務大学校研究部主任教授兼国税庁国際業務課、東京国税局調査第三部長等を経て、2013年12月退官。2001年米国公認会計士資格合格。東京国税局の調査部長として大企業の税務調査を指揮したほか、国税庁では全国国税局の資産課税事務の指導監督などを経験。現在は相続・事業承継、税務調査対策、国際税務に関するコンサルティングに取り組んでいる。

著者紹介

連載元・東京国税局部長が明かす、スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

杉本 俊伸+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

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