前回は、株価が上昇するタイミングを見極める「三つのシグナル」について説明しました。今回は、チャートから三つのシグナルを読み解き、買いの判断をするタイミングについて見ていきます。

三つのシグナルが持つ意味

今回は、前回紹介した下記の三つのシグナルを一つずつ見ていきましょう。

 

【シグナル1】 もみ合い相場(横ばい)が長く継続している
【シグナル2】 直近の安値を割らない状況を確認できる
【シグナル3】 その後出来高が急増し、長いローソク足(陽線)が現れる

 

【シグナル1】のもみ合い相場とは、株価が大きく上下に動くことなく、一定の範囲を行ったり来たりしている相場のことです。

 

長らくもみ合いが続いた後に、株価が上に向かう動きが起こると、その後は上昇トレンドに入る可能性が高くなります。もみ合っている期間が長ければ長いほど、その間に溜めていたエネルギーが一気に放たれることで、爆発的な大相場となることが多くあります。

 

【シグナル2】は、過去、数週間の「安値」を割らない状況です。

 

【シグナル3】の「出来高」とは、取引ができた(成立した)株数のことです。チャート上では棒グラフで表されます。出来高が多いということは、それだけ取引が活発に行われたことを意味します。

出来高が前日の5倍以上なら買いの圧力が強い相場

【図1 三つのシグナル】

上記の図1のチャートをご覧ください。投機筋が介入し、相場を演出し始めたときには、必ず出来高が急増しています。目安は、前日の5倍は増えていること。一番良いのは前日の10倍、20倍と急増している場合です。

 

これとは逆に、チャート上に【シグナル3】の長いローソク足(陽線)が出現しているのに出来高が少ない場合は、あまり買い圧力が強い相場とはいえない状況です。その後上昇したとしても、上昇相場はあまり長く続かないことが多く、売りのタイミングを逃す恐れがあります。仕手筋が介入したことを確実に判断するには、【シグナル3】の「ローソク足」を見る必要があります。

 

ローソク足には、白いものと黒いものがあります。株価が前日よりも値上がりした場合に現れるのが、白いローソク足(陽線)。一方、株価が前日よりも値下がりした場合に現れるのが、黒いローソク足(陰線)です。

 

【図表2 ローソク足の見方】

長くて白いローソク足は「上昇相場」の合図

狭いレンジで長期間もみ合った後、出来高の急増と長くて白いローソク足(長大陽線)が出現したら、株価はかなり上の方まで買われており、さらに上に上げようという投機筋の意志を垣間見ることができます。彼らが目指すゴールは、長くて白いローソク足(陽線)の一番上だということです。

 

投機筋は狙いを定めて介入した銘柄に対しては、どんなに高値でも今、市場に付いている価格ですぐに買うという「成行注文」で、目一杯上までごっそりと買っていきます。そうした彼らの意志が、まるでのろしを上げたかのように、長くて白いローソク足(陽線)となって現れるのです。図表1のチャート図のように、このパターンが確認できたら、上昇相場が始まることはほぼ確実です。すぐさま買いのエントリーを入れましょう。

 

ちなみに、一般的には白=陽線、黒=陰線となりますが、チャートを提供している証券会社によって、赤=陽線、青=陰線など、色が異なる場合があるので注意してください。いずれにしても、明るい色のほうが陽線で、暗い色のほうが陰線となります。

本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法

紫垣 英昭

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス効果や日銀の金融緩和により、賑わいをみせている日本の株式市場。昨年からはじまったNISAに続き、ジュニアNISAの創設や教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長など、若年層にむけての資産形成支援も充実…

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