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連載新しい投資の選択肢「不動産小口化商品」の基礎知識【第6回】

原宿の実例で見る「任意組合型」不動産小口化商品のスキーム

不動産小口化商品不動産所得修繕費減価償却資産

原宿の実例で見る「任意組合型」不動産小口化商品のスキーム

前回まで、不動産小口化商品の概要から商品を選ぶ際の重要なポイントについて説明しました。今回は、実際に商品として販売された「アセットシェアリング原宿」を例にあげ、利回りや修繕計画、減価償却などを見ていきます。

不動産小口化商品の「実質利回り」の計算方法とは?

これまで5回にわたって、不動産小口化商品の概要から商品を選ぶ際の重要なポイントをお伝えしてきました。今回は、実際の小口化商品がどのようなものなのか、実際の商品である「アセットシェアリング原宿」を例にして説明します。

※「アセットシェアリング原宿」は弊社の商品です。すでに販売は終了しておりますので予めご了承ください。

 

アセットシェアリング原宿は「任意組合型」の商品で、スキーム図は下記図表1の通りです。

 

[図表1]任意組合型のスキーム

※「ソーシャルアパートメント原宿」は建物の名称です。
※「ソーシャルアパートメント原宿」は建物の名称です。

 

[投資の流れ]

① 事業参加者(投資家)と事業者で不動産特定共同事業契約を結ぶ

② 事業参加者(投資家)は、不動産の共有持分を取得

③ 事業参加者(投資家)は、共有持分を任意組合に現物出資

④ 事業者は、任意組合の代表(理事長)として不動産の管理・運営を行う

⑤ 事業者は、運用で得た収益を事業参加者(投資家)へ分配

⑥ 一定期間後に売却し、事業者は、売却益を事業参加者(投資家)へ分配

 

小口化商品の共有持分をもつ(=実物不動産の共有持分をもつ)ので、分配金は不動産所得になります。実物の不動産と同じように、相続税評価額の評価減や小規模宅地等の特例の活用ができますので、資産運用商品としてだけでなく、相続対策商品としても活用できます。実際、相続対策を目的に事業参加(投資)された方が多くみられました。

 

1口あたりの金額は100万円です。ただし、最低口数5口以上(500万円以上)、最高口数は200口以下(2億円以下)となります。実質利回りは、3.4%です。

 

計算方法は下記の通りです。

 

●1口あたりの金額:100万円

(ただし最低口数5口以上〈500万円以上〉、最高口数200口以下〈2億円以下〉)

実質利回り:3.4%

 

計算方法は下記の通りです。

 

1棟全体800口=800,000,000円

全体の賃料収入=36,000,000円

諸経費=合計9,180,370円

(諸経費内訳:火災保険料、固定資産税・都市計画税、理事長報酬費、修繕積立金、プロパティマネジメントフィー)

 

全体の収支全体の賃料収入諸経費

36,000,000-9,180,370=26,819,630円

実質利回り

26,819,630÷800,000,000円≒0.0335

⇒ 3.4%

 

10口購入した場合、年間335,245円が分配されます(全体収支26,819,630円の10/800)。

 

分配金は2月と7月の年2回に分けて支払われます。

 

所有権を第三者に対抗できるようにするために共有持分の登記をし、その後、任意組合に現物出資するときに出資登記をしますので、登記費用が2回必要となります。また、実物不動産と同じ扱いになりますので、不動産取得税がかかってきます。

 

運用期間は、最長30年です。任意組合型でもあり、相続対策の商品として活用できるので、長期の運用が可能な期間としています。運用期間終了の際は、土地・建物を売却し、その売却益を事業参加者(投資家)の方々に分配いたします。

 

立地は、JR山手線「原宿」駅から徒歩7分、東京メトロ副都心「北参道」駅から徒歩5分の好立地にあります。観光名所であり人気スポットである明治神宮や原宿、東京オリンピックを前に改修が行われる国立競技場や代々木体育館にも近く、今後もますます発展が望めるエリアなので、空室リスクは低減されます。

リスクを抑える修繕計画と減価償却の考え方

修繕計画については、下記図表2のような長期の修繕計画を立てています。

 

[図表2]修繕計画の概念図

 

綿密な計画により修繕費を積み立てていけば、突発的費用の発生リスクを最小限に抑えることができます。また、定期的に大規模修繕をすることで資産価値を維持していきます。
事業参加者(投資家)の方に管理・運営の手間はかかりません。

 

建築年数は、平成26年2月で新耐震基準の建物です。構造は、鉄筋コンクリート造で、法定耐用年数は47年あります。減価償却費を計上できますが、築年数が新しく耐用年数も長いため、減価償却費を大きくとるができないので、所得税の節税効果を投資目的とする方にはこちらの商品は不向きです。

 

ただし、長期投資スタンスの方には、築年数が浅く新耐震基準の鉄筋コンクリート造であれば、建物の倒壊のリスクは少なく、安心感があると思います。

物件の様子と事業参加者の構成

物件の用途は、部屋数が32室あるシェアハウス型の住居タイプです。入居者の個室には、トイレ・シャワールームを完備し、共用スペースにはキッチンやラウンジ、ランドリールームがあります。

 

外観
建物の外観と共有スペースのキッチン、ラウンジ

 

居室とトイレ・シャワースペース
個室の様子とトイレ・シャワースペース

 

エリアの特性から、女性や外国人の方の入居者も多く、常に高い入居率を維持しています。さらに、サブリース形態の採用により、収支の安定化、投資商品としての安全性を図っています。

 

 

事業参加者(投資家)の割合は男性約7割、女性約3割、年代は30代~80代までと幅広く、法人の購入もあります。30~40代は主に資産運用目的、60代以上は相続対策目的であり、購入者の投資キャリアもベテランから初心者までさまざまです。

 

今回例にあげた「アセットシェアリング原宿」は、長期投資向け商品で、実物不動産のメリットを生かし相続対策にも活用できるという視点で企画されていますが、小口化商品には、利回りを重視したものや短期投資を目的とした商品もあります。購入を検討する場合は、自身の目的を明確にするとともに、色々な会社の商品をよく見比べてみてください。

小川 真央

株式会社インテリックス ソリューション事業部 不動産コンサルタント

1970年千葉県生まれ。新築住宅メーカーでプランナー、大手リフォーム会社にて営業設計として勤務後、リノベーションの設計担当者として株式会社インテリックス空間設計に在籍。その後、主に中古不動産を購入しリノベーションを希望するお客様の専門スタッフとして株式会社インテリックス住宅販売で仲介業務に従事。現在は、株式会社インテリックス ソリューション事業部で、リノベーションや不動産の購入・売却に関するコンサルティングおよび不動産小口化商品の企画・販売を行う。
取得資格:宅地建物取引士、AFP、2級建築士

著者紹介

連載新しい投資の選択肢「不動産小口化商品」の基礎知識

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